ファジ-制御付き超高粘度・高発熱重合システムの試作と応用

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07555550
• Research Category: Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
• Research Institution: Yokohama National University
• Principal Investigator: 上和野 満雄 横浜国立大学, 工学部, 教授 (70017896)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 樽本 淳 綜研化学(株), 研究センター, 副主任研究員 ; 山本 一巳 綜研化学(株), 研究センター, 主任研究員 ; 仁志 和彦 横浜国立大学, 工学部, 助手 (20262412) ; 上ノ山 周 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (50233945)
• Keywords: 重合反応槽 / 温度分布 / 重合物物性 / 分子量分布 / レオロジー / 攪拌槽

Research Abstract

重合反応装置の作成 反応槽は30lの液容量のものとした。まず槽高さ方向に5分割にしたものに、各々シャケットを付設し、ついで適宜な曲率をつけ、熱媒を流すことができるジャケットを装着した槽の底板、あるいは安全弁を装着した円板の蓋を作成した。一方、反応槽内に設置するコイルは、槽高さ方向に4分割した還流コイルを槽内に設置した。攪拌翼は板状(傾斜パドル1段〜数段可)、門型翼、スクリュー翼、らせん帯翼を作成し、重合液の流体のレオロジーに応じた最適な翼形状のものを試作し、挿入しテストを行った。反応場の温度むらの検出はリアルタイム多点温度計を用いて行った。この際、必要となるリアルタイム多点温度計を制御系に接続するための電気回路、RAM回路の作成も併せて行った。
レオロジーを考慮した装置性能評価 綜研化学(株)においては、アクリル系の重合実験を上記の試作したもので行い、さらに槽内液中の温度むら発生状況と重合物物性の関連性を検討した。一方、横国大においては、どの種の攪拌翼が良好であるかを、流れ、および混合状態等をレーザー光を用いた可視化装置(本科研費で購入)により計測した。ついで、コーンアンドプレート方式粘度計で反応液の粘度を測定する一方、本科研費で購入した法線応力測定装置により、法線応力差等の粘弾性的性状を含めたレオロジー特性を測定した。重合において、重合が進行するとワイゼンベルグ効果が発現し、その影響で槽内液の流動が不良となるが、この点が重合物物性にどの程度影響するかについて、温度むら発生状況との関連性を明らかにした。上記の研究より、スクリュー翼、らせん帯翼は、槽内液が低粘度から高粘度の全ての領域において、他の翼に比べ良好な軸方向循環流を発生させるものであることを定量的に示すことができ、本研究は革新的な重合反応器の試作のための新しい知見を得た。

Research Products

• [Publications] 上和野満雄: "リアルタイム多点温度計測器の試作-高粘度攪拌槽における伝熱状態の測定-" 化学工業論文集. 21. 760-765 (1995)
• [Publications] 上和野満雄: "Relation of Polymer Properties and Local Temperature Distribution in a Stirred-Type Batch Reactor Using Several Types of Impeller" Proc. of 7th Congress of Asian Pacific Confederation of Chemical Engneering. 2. 704-708 (1996)
• [Publications] 上ノ山周: "変貌するミキシング技術-数値シミュレーションの問題点-" 化学工学. 59. 626-629 (1995)
• [Publications] 上和野満雄: "攪拌槽のスケールアップ" 化学工学. 60. 162-165 (1996)