1996 Fiscal Year Annual Research Report
銅-希土類複合触媒を用いたCO、CO_2からの新規アルコール合成プロセスの開発
Project/Area Number |
07555554
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Section | 試験 |
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
土屋 晉 山口大学, 工学部, 教授 (10016719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉瀬 良二 宇部興産(株), 宇部研究所, 主席研究員
酒多 喜久 山口大学, 工学部, 助教授 (40211263)
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Keywords | 触媒 / 複合酸化物 / 合成プロセス / アルコール / 銅 / 希土類金属 / メタノール |
Research Abstract |
硝酸銅の熱分解過程において希土類金属イオンを共存させると、新規な銅-希土類複合酸化物Cu_6O_8Ln(NO_3)(Ln:希土類金属)を生成する。この物質を水素還元すると、興味ある触媒能が発現することがこれまでのわれわれの研究でわかった。本研究ではさらにこの触媒能について調べるため行ったものである。 希土類金属としてイッテルビウムを選んだ。触媒は、銅及びイッテルビウムの硝酸塩の混合物を酸素気流中下、673Kで焼成して得られた複合酸化物Cu_6O_8Yb(NO_3)を水素還元して調製した。水素還元処理により表面積及び細孔容積は増加した。触媒のメタノール生成活性は水素還元温度に依存して変化した。水素及び一酸化窒素を原料とした場合は、523Kにおいて活性は最大となり、従来の銅/酸化亜鉛/酸化クロム三元系メタノール合成触媒よりも大きかった。水素及び二酸化炭素の混合ガスを原料とした場合でもメタノールは生成したが、活性は低かった。メタノール生成活性は合成温度に依存し、銅-イッテルビウム酸化物では473K、従来の三元系触媒では523K付近で最大となり、最大活性を示す温度が異なった。銅-イッテルビウム酸化物がより低温で高活性を示すことは、この物質が触媒として優れていることを示している。高圧下における実験も現在遂行中であるが、メタノール合成活性が認められている。 エチレンの水素化活性も水素還元温度に依存して変化するが、最大活性を示す温度が573Kであり、メタノール合成反応の場合とは異なった。 還元後の触媒のTEM観察、EDS測定、XRD測定及びBET測定の結果から、メタノール合成反応とエチレン水素化反応においては、触媒表面積、金属銅粒子径及び酸化イッテルビウム結晶粒子の分散状態が重要であることが示唆された。
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