1996 Fiscal Year Annual Research Report
触媒活性点構造解明のためのフーリエ変換マイクロ波分光器の試作
Project/Area Number |
07555555
|
Section | 試験 |
Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
内藤 周弌 神奈川大学, 工学部, 教授 (20011710)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 光敏 静岡大学, 理学部, 教授 (40207197)
|
Keywords | 同位体トレーサー / マイクロ波分光法 / プロペン / 重水素 / 金属カ-バイド / マグネシア / パラジウム / 水素交換反応 |
Research Abstract |
実際の反応状況下における触媒活性点構造を解明するには、同位体トレーサー法が有効であるが、生成物の同位体分布の測定にはマイクロ波分光器が最も有効である。本研究では、従来の分光器の短所であった分析感度や測定分子種の拡大のためフーリエ変換マイクロ波分光器を試作した。本年度はその感度をさらに改善するため、ファブリーペロ-型の共振器(ミラー)及びそれを入れる超高真空容器を設計・製作した。又、試料をソレノイドバルブを通してパルスで導入するためのタイミング機構の設計・製作を行った。更ににくり返し測定により積算された信号のフーリエ変換のためのプログラムを作成し、分光器の性能・定量性を従来のシュタルク変調型分光器での結果と比較検討した。その結果、感度は従来の分光器より2-3桁の向上が見られた。現在この分光器を用いて新しい同位体プローブ分子の開発に着手している。 一方、上記の検討を行う傍ら、従来型の分光器を主に用い、WC、W_2CやMo_2Cなどの金属カ-バイド上でのプロペン-重水素交換反応について検討した。その結果、プロペン分子間の水素交換は重水素分子の有無に関わらず専ら解離型中間体を経て進行することが明らかとなった。一方、重水素分子の存在するときはプロパンの生成が見られるが、水素交換速度は解離型より著しく遅いため、重水素の解離が律速であることが結論された。この2つの反応はカ-バイドのbasal面とedge面で起こっている可能性が強い。又、マグネシア担持のPd触媒にAgを添加することにより、水素の活性化の促進されることを既に報告しているが、プロペン-重水素交換反応に対するAgの添加効果について検討した。その結果、Agの添加により反応速度は遅くなるが反応中間体は著しく変化することが明らかとなった。これは、水素交換の律速が水素の活性化以外のところにあり、プロペンの吸着はPd-Ag合金ないしはAg上で起こっていることを示唆している。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 内藤周弌: "Synergetic effect of Pd and Ag dispered on MgO in the reduction of NO by H_2 at room temperature" Stud.Surf.Sci.Catal.101. 1115-1124 (1996)
-
[Publications] 内藤周弌: "Noble selectirity change in the hydrogenation of CO over pallacdidum membrane catalysts" Chem.Letts.893-894 (1996)