1995 Fiscal Year Annual Research Report
電磁波加熱による澱粉類のマルトース生成量の制御システムの開発
Project/Area Number |
07555557
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
清水 賢 東京農工大学, 工学部, 教授 (30023063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 太次郎 東京農工大学, 工学部, 助手 (20092497)
国眼 孝雄 東京農工大学, 工学部, 助教授 (00015108)
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Keywords | 電磁波加熱 / 澱粉類 / マルトース / 反応速度定数 / サツマイモ |
Research Abstract |
1.生澱粉からマルトース生成の反応速度定数の測定と総括的検討 試料としては、サツマイモ澱粉スラリーと薄板状サツマイモを用いた。マルトース生成反応の初期段階が一次反応であると仮定し、一次反応プロットを行い、その傾きから見掛けの反応速度定数をそれぞれの温度について求めた。サツマイモ澱粉スラリーでは、澱粉温度、酵素濃度、pHを変えて見掛けの反応速度定数を測定し、その結果よりマルトース生成反応の至適条件は澱粉濃度10mg/ml、酵素濃度22.2units/ml、pH5.4であった。薄板状サツマイモを測定した結果、マルトースは65℃より低い温度領域ではほとんど生成されず、85℃より高い温度領域では全く生成されなかった。65℃より低い温度領域では澱粉の糊化が十分行われず、85℃より高い温度領域ではβ-アミラーゼの失活が急激に起きるためだと思われる。これによりサツマイモ内のマルトース生成は65〜85℃の温度領域内で行われることがわかった。実際のサツマイモではスラリーのようなモデル系に比べて糊化温度が約7℃高温側にシフトしていると報告されている。そこで至適条件のスラリーについては7℃高温側にArrhe-nius plotをシフトさせると薄版状サツマイモで求めたArrhenius plotとほぼ一致することがわかった。 2.澱粉類(サツマイモ)内の温度分布およびマルトース生成量分布の測定 マイクロ波加熱及び赤外線加熱を行った場合の温度とマルトース生成量の経時変化を実測した結果、昇温速度がマルトース生成に影響を与えることが示唆された。そこで、サツマイモ内のマルトース生成は65〜85℃の範囲で行われていることがわかっているので、サツマイモの中心温度が65℃から85℃に上昇するのに要する時間(t_<65〜85>)に着目した。その結果、t_<65〜85>=約10minであればマルトース生成は最高になることがわかった。
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