1996 Fiscal Year Annual Research Report
電磁波加熱による澱粉類のマルトース生成量の制御システムの開発
Project/Area Number |
07555557
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
国眼 孝雄 東京農工大学, 工学部, 助教授 (00015108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 太次郎 東京農工大学, 工学部, 助手 (20092497)
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Keywords | 赤外線加熱 / マイクロ波加熱 / デンプン / マルトース / サツマイモ / 反応速度定数 |
Research Abstract |
1.マルトース生成量と加熱方法との関係 薄板状サツマイモにおいて、赤外線加熱の場合には、照射強度[W/cm^2]を変えることによりマルトース生成量を0〜300(mg/g-dry solid)に制御できることが分った。一方、マイクロ波加熱(導波管型一方向照射装置)の場合には、照射量を調節することにより最大300(mg/g-dry solid)が得られ(30W、4分間照射)て、赤外線照射の場合の最大値と同じとなったことから、マルトース生成現象は、加熱源の種類に本質的に影響を受けないように考えられる。また、赤外線の照射波長特性(近赤外ヒ-タと遠赤外ヒ-タ)の違いによるマルトースの生成速度、生成量に差は見られなかった。なお、導波管型のマイクロ波照射では、家庭用電子レンジのような再反射によるマイクロ波吸収が無いため、実質上サツマイモへのエネルギ吸収は、ゆるやかなため十分な酵素反応を受けたものと考えられる。 2.マルトース生成量の制御 得られているサツマイモ温度分布経時変化のデータと、マルトース生成の見掛けの反応速度定数とから、厚手のサツマイモのマルトース生成量の推算を行ったところ、昇温速度が大きい例では実測値と一致を示しておりマルトース生成量の制御可能と考えられたが、サツマイモのサイズが比較的大きく、昇温速度が小さい場合には、一致しにくくなることが分った。長時間加熱による酵素失活が一因と考えられる。なお、サツマイモを100℃またはそれ以上に加熱しておくと、一旦生成したマルトースが減少する現象が見られた。原因については、今後の課題。以上、放射加熱タイプの、品温を比較的自在に調節できる赤外線やマイクロ波加熱処理方法によって、マルトース生成量をコントロールする設計上の指針が得られた。
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[Publications] 国眼・田中・清水: "シクロデキストリンを用いた高度膜分離" 化学工学. 60・2. 130-131 (1996)
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[Publications] T.Kokugan,K.Tanaka et al.: "Separation of Isomer by UF Using Cyclodextrin" Proc.of 7th APCChE Congress Taipei. 2. 840-845 (1996)
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[Publications] K.Sagara,T.Kokugan,M.Shimizu et.al.: "Injury of Esherichia Coli in Diquid Medium by F-Iirradiation" Proc.of 7th APCChE Congress Taipei. 2. 565-568 (1996)
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[Publications] T.Kokugan,Kaseno,M.Shimizu: "Effects of downstream pressure on pervaporation performance" J.Chem.Eng.Japan. 29・4. 717-720 (1996)
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[Publications] Kaseno and T.Kokugan: "The Effect of fermented maste recycle on the performance" Proceedings of ICOM '96. S-14. 852-853 (1996)
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[Publications] 清水賢、国眼孝雄、本多太次郎他: "遠赤外線セラミックスの高度利用" (株)アイ・ピ-・シ-, 324 (1996)