1995 Fiscal Year Annual Research Report
超高速クロマトグラフィーによる迅速定量法の開発と培養制御への適用
Project/Area Number |
07555561
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 滋雄 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20026272)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬島 剛 日本ガイシ(株), エンジニアリング事業本部, 主任研究員
寺嶋 正明 京都大学, 工学研究科, 助手 (30172092)
|
Keywords | 免疫測定法 / 高速クロマトグラフィー / パ-フュージョン担体 / サンドイッチ法 / 蛍光標識抗体 / 培養制御 |
Research Abstract |
本年度の研究では、HPLCクロマトグラフィーカラムを用いた迅速免疫測定法について、直接法、およびサンドイッチ法によりHSAを対象物質として検討した。すなわち、直線法では抗HSA抗体をパ-フュージョンHPLC担体に固定化し、サンプル中のHSAを吸着後、溶離されてくるピークからHSA濃度を求めた。その結果、直接法は感度が比較的低く、また培養液中の不純物の影響を受けやすいことがわかった。次いで、サンプル中のHSAを吸着後、蛍光標識抗体を結合させそれを溶離、測定するサンドイッチ法を行った。このサンドイッチ法では蛍光標識抗体がカラム充填剤に非特異的に吸着され、測定結果に影響した。そこで、抗原結合時と非結合時にカラムに吸着される標識抗体量の差によって抗原濃度を測定する新しい方法を開発した。これによれば、蛍光標識抗体の非特異的吸着の影響は除去され、直接法と比べて約20倍の感度が得られ、かつ30分で目的物質の濃度が測定できるようになった。従来のELISAでは測定に十数時間を要するのに比べ、この方法によればはるかに迅速な測定が行え、培養制御などにも応用できると思われる。 分泌生産系としては、酵母によるイネα-アミラーゼ、およびイネ細胞培養によるアンチトリプシンの分泌生産と培養条件の関係を検討した。後者では基質である糖の濃度によって目的物質の生産性が制御され、糖濃度を低下させることによって、目的遺伝子を発現させることができることが明らかとなった。したがって、このイネ細胞培養によるアンチトリプシン生産系は、本システムを適用して生産物濃度を測定しつつ、培養制御を行うのに適当であると考えられる。
|