1996 Fiscal Year Annual Research Report
超高速クロマトグラフィーによる迅速定量法の開発と培養制御への適用
Project/Area Number |
07555561
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
加藤 渋雄 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20026272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬島 剛 日本ガイシ(株), エンジニアリング事業本部, 主任研究員
寺嶋 正明 京都大学, 工学研究科, 助手 (30172092)
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Keywords | 迅速免疫測定法 / 培養制御 / サンドイッチ法 / 植物細胞培養 / 抗ペプチド抗体 / 特異的溶離 |
Research Abstract |
機能改変生物や細胞による有用物質の生産が工業的課題となってきたが、その効率化のためには、培養条件の制御・最適化が重要である。従来は、測定可能な因子が温度、pH、溶存酸素濃度と基質濃度などに限られ、生産目的とする物質を経時的に追跡し、制御に利用することは不可能であった。すなわち、多くの生化学性物質はバイオアッセイによってその活性が測定されることが多く、結果を得るには日単位の時間が必要でり、また特異抗体を用いた固相法イムノアッセイによっても、半日程度はかかる現状であった。このため、新しい生化学物質の迅速測定システムが構築できれば、これを培養生産系の制御に利用して高効率生産を行うことができる。 そこで超高速液体クロマトグラフィー担体の開発、抗体による生理活性物質測定手法の確立、定量限界などを明らかにして、生化学物質の迅速な測定法を確立し、これを分泌生産系の生産物を直接法および新規なサンドイッチ法について検討した。植物細胞培養のような既知組成の培地を用いる系では直接法によって30分程度の短時間で培地中の生産目的物質濃度を測定することができた。この測定システムを植物細胞懸濁培養によるヒトα1-アンチトリプシンの分泌生産に適用し、α1-アンチトプリシン濃度を迅速に測定し、遺伝子発言誘導後の生産特性を明らかにすると共に、収穫時期を適切に定めることができた。さらに、従来のサンドイッチ測定法の欠点を解消した抗ペプチド抗体とペプチドによる特異敵溶離に基づいた新規なサンドイッチ法を開発し、その特性を適用範囲を明らかにした。この方法は、担体に非特異的に吸着される不純物を多く含む系の場合に有用であることを示した。
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