1995 Fiscal Year Annual Research Report
樹脂表面鋳型形成法による構造特異的な糖質分離樹脂の開発
Project/Area Number |
07555570
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前田 瑞夫 九州大学, 工学部, 教授 (10165657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚越 一彦 同志社大学, 工学部, 助教授 (60227361)
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Keywords | 鋳型重合 / フェニルボロン酸基 / 乳化重合 / 界面鋳型 / ラテックス / 糖質分離 |
Research Abstract |
糖の認識・分離のための有望な手法として、鋳型重合が注目された。しかし従来法は、特殊な糖錯体モノマーに頼るため、一般性に乏しかった。これに対し申請者は、全く新しい視点から高選択的な糖結合性樹脂の合成法を開発することを試みた。すなわち、樹脂表面官能基を鋳型ゲスト共存下に再配列させる手法(樹脂表面鋳型形成法)を糖に適用し、糖類の分離、ヌクレオシドの選択的分離を試み、これにより同手法の有効性・一般性・有用性を実証するとともに、これを実用化に結びつけるための様々な基礎的検討を行うことを目的とした。 本年度はまず、糖結合性官能基であるフェニルボロン酸基を表面にもつテラックス粒子の合成法の確立を目指した。基本的手技は次の通り:「スチレン、m-アクリルアミドフェニルボロン酸、アクリル酸ブチルを水中で共重合して、微粒子分散液を得る。さらにこれに微粒子膨潤剤としてメチルエチルケトンを加え、スチレン主成分の粒子を膨潤・可塑化させる。次いで、外水相をアルカリ性(pH10)とする。pKa8.8のボロン酸基は、外水相に触れるとアニオンとなり、再び樹脂中に潜ることはない。メチルエチルケトンを留去して、表面に糖結合性官能基をもつミクロスフェアを得る。」ここで、安定な微粒子分散液を得る条件を種々検討した。フェニルボロン酸型モノマーと水ならびにモノマー主成分であるスチレンの量比が重要であることがわかり、最終的に再現性良く分散液を得る条件を確立することができた。樹脂のキャラクタリゼーションは光散乱法ならびに電子顕微鏡により行った。ゼータ電位測定装置により、表面に解離性官能基すなわちフェニルボロン酸基が存在することを定性的に示すことができた。現在、糖質ならびにヌクレオシドを対象に、樹脂表面鋳型形成法の適用を急いでおり、次年度はこの点を中心に更に研究を進める。
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Research Products
(1 results)