1996 Fiscal Year Annual Research Report
樹脂表面鋳型形成法による構造特異的な糖質分離樹脂の開発
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07555570
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
前田 瑞夫 九州大学, 工学部, 教授 (10165657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚越 一彦 同志社大学, 工学部, 助教授 (60227361)
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Keywords | 鋳型重合 / フェニルボロン酸基 / 乳化重合 / 界面鋳型 / ラテックス / 糖質分離 |
Research Abstract |
鋳型重合は、糖の認識・分離のための有能な手法として注目されたものの、従来法は一般性に乏しかった。そこで筆者らは、鋳型重合法における全く新しい概念である、樹脂表面鋳型形成法を提案した。本手法では鋳型形成に油水界面を利用している。その際、糖質は常に水相にあるため、様々な糖に対し適用が可能である。更には、糖蛋白や糖鎖をもつ細胞もその対象となりうる。筆者らは、これまでに、フェニルボロン酸基を表面に持つ高分子微粒子の合成手法を確立し、種々のキャラクタリゼーションを行ってきた。今年度は、更に、フェニルボロン酸担持ラテックスと糖の結合様式について検討を加えた。表面構造を考えると、二つの糖結合性基がしかるべき配置で固定され、空間的に糖を認識・結合できる。この空間的多点認識により、糖異性体に対する高い選択性を期待することが出来る。例として、D-グルコースの存在種としては、遊離のD-グルコース、フェニルボロン酸基との1:1錯体および1:2錯体の3種が考えられる。見かけの結合定数を設定し、吸着試験条件下におけるラテックス表面でのこの3種の存在比を検討した。このシミュレーションは、多くの仮定を含むが、フェニルボロン酸担持ミクロスフェアと糖との結合の化学的挙動を考えるのに役立つだけでなく、鋳型重合のパラメータ設定に必要である。糖吸着試験および結合化学種のシミュレーション結果をふまえ、D-グルコースおよびL-グルコースの鋳型ミクロスフェアを合成した。各糖異性体に対する結合能の評価は、既に確立したフェノール硫酸法に基づく評価法、ならびに糖混合物に対しては高速液体クロマトグラフィーを用いた手法により行い、鋳型効果については、糖の立体構造を考慮しつつ議論した。今後、結合選択性の向上にあたっては、鋳型形成時のpH、イオン濃度、ならびに重合条件の最適化を行うことが必要であると考えている。
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[Publications] Yoshifumi Koide et al.: "Selective Adsorption of Metal Ions to Surface-Template Resins Prepared by Emulsion Polymerization Using 10-(p-Vinylphenyl)decanoic Acid" Bull.Chem.Soc.Jpn.69(1). 125-130 (1996)
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[Publications] Masaharu Murata et al.: "Template-Dependent Selectivity in Metal Adsorption on Phosphate Dister-Carrying Resins Prepared by Surface Template Polymerization Technique" Bull.Chem.Soc.Jpn.69(3). 637-642 (1996)
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[Publications] Isamu Fujiwara et al.: "Ferrocyanide-Templated Resins Prepared by Surface Template Polymerization" Anal.Sci.12. 545-549 (1996)
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[Publications] Kazuhiko Tsukagoshi et al.: "Preparation and Characterization of Polymer Microspheres Which Have Specific Binding Ability for Saccharide Molecules" Anal.Sci.12. 721-726 (1996)
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[Publications] 塚越一彦 他: "界面を利用する鋳型樹脂の合成とキャラクタリゼーション" 分析化学. 45(11). 975-986 (1996)
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[Publications] 中村成夫 他: "分子刷り込みポリマーを反応場として用いる触媒的不斉還元反応" 化学. 51(11). 725 (1996)