1995 Fiscal Year Annual Research Report
β-シクロヘキシル-2,β-ジフルオロスチレン構造の新規高性能液晶化合物の合成
Project/Area Number |
07555582
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
井上 誠一 横浜国立大学, 工学部, 教授 (90017939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町田 勝利 セイミケミカル(株), 企画開発部, 部長
本田 清 横浜国立大学, 工学部, 助手 (60231578)
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Keywords | 液晶化合物 / ネマチック液晶 / 低粘性液晶 / ジフルオロスチルベン / シクロヘキシルリチウム / β-シクロヘキシルジフルオロスチレン / ジフルオロエチレン |
Research Abstract |
α,β-ジフルオロスチルベンやβ-(シクロヘキシル)-α,β-ジフルオロスチレンの置換誘導体が新規の構造の高性能低粘性液晶性化合物であることを見いだしたので、実用化を視点に入れて、分子設計と合成法について検討した。 1,シクロヘキシルリチウムの効率のよい生成法およびテトラフルオロエチレンとの反応の検討。 4-アルキルシクロヘキサノールを臭素化する反応は必ず位置異性体の副成を伴うこと、五塩化リンを低温で用いて塩素化を行えば、収率は十分とは言えないが、純粋な目的物を合成できることを明かにした。またクロロ体の立体化学に関係なく、テトラフルオロエチレンとシクロヘキシルリチウムの反応は95%程度の選択性でトランス体が得られた。 2,β-シクロヘキシル置換スチレン合成の最適反応条件の検討および最適分子構造設計。 シクロヘキシルトリフルオロエチレンとアリールリチウムの反応は従来のジフルオロスチルベン合成の反応条件が適用できることを明らかにした。また立体選択性は95%であり、再結晶により精製できる。末端にシアノ基を有するものはジフルオロスチルベン型化合物と同程度の誘電異方性を持つが、液晶相を呈する温度範囲は個々の化合物で大きく異なるため、分子設計を含めて、継続検討が必要である。 3,大量スケールでの合成と精製方法の検討。 五塩化リンを用いるシクロヘキサノールの塩素化反応は大量の発熱を伴う反応であり、収率も十分とは言えないので、スケールアップのためには何らかの別途合成法を開発する必要がある。他にも低温での反応を工業スケールで行うための検討が今後必要である。精製に関しては特別な問題はないと思われる。
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[Publications] 井上誠一: "1,2-ジアリールおよび1-アリール-2-シクロヘキシル-1,2-ジフルオロエチレンの合成と性質" 日本化学会第70春季年会講演予稿集. II. IDI37 (1996)
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[Publications] 井上誠一: "ジフルオロスチルベン型化合物の合成と液晶性" 染料と薬品. 41(印刷中). (1996)