1997 Fiscal Year Annual Research Report
β-シクロヘキシル-α,β-ジフルオロスチレン構造の新規高性能液晶化合物の合成
Project/Area Number |
07555582
|
Research Institution | YOKOHAMA NATIONAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
井上 誠一 横浜国立大学, 工学部, 教授 (90017939)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町田 勝利 セイミケミカル, 企画開発部, 部長(研究職)
本田 清 横浜国立大学, 工学部, 助手 (60231578)
|
Keywords | 液晶化合物 / STL-LCD / 置換ジフルオロエチレン / キラル添加剤 |
Research Abstract |
α,β-ジフルオロスチルベンやβ-(シクロヘキシル)-α,β-ジフルオロスチレンをコアとする高性能低粘性液晶表示材料の分子設計と合成法を確立することが研究目的である。第3年度としては、側鎖アルキル基の構造を変化させた一連の化合物を合成し、物性測定の結果から最適の分子構造を設計すること、分子構造と誘起される螺旋構造の関係から、優れた効果を有するキラル化合物を分子設計し、物性評価を行うこと、大量スケールでの合成と精製の方法について検討すること、等である。 1.キラルなメチル基を含む1級アルキル基をパラ位に有する置換ブロモベンゼンを合成し、これから誘導したリチウム化合物からβ-(4-アルキルシクロヘキシル)-4-(キラルアルキル-α,β-ジフルオロスチレンを合成する反応について検討し、収率よく目的物を合成する条件を見出した。さらにその結果に基づいて種々の形状のアルキル側鎖を有する化合物を合成した。 2.シリルエーテルとして保護したp-ブロモフェノールを用いて上と同様に反応を行い、パラ位にエーテル・エステル結合を介して光学活性アルキル基を有する化合物を合成する反応を確立し、一連のキラル化合物を合成することができた。 3.上で合成された化合物の物性を測定し、置換基との関係を考察した結果、官能基の種類、キラル中心の位置、キラリ置換基の形状等と物性の間にある程度相関が認められたが、統一した数式で全てを表すことは困難であった。結果的には、実用化が可能な優れた物性を有する化合物を見出すことができた。 4.大量スケール合成における問題点について検討し、低温・酸素遮断下で行う反応と、化合物精製法に関して実施上の問題があることがわかった。
|
-
[Publications] 北嶋 勝広: "トランス-ジフルオロスチルベン(DFS)系液晶の物性と高速応答STN用液晶組成物への応用" 第23回液晶討論会講演予稿集. 23. 234-235 (1997)
-
[Publications] 井上 誠一: "キラルな1-(4-アルキルシクロヘキシル)1、2・ジフルオロ-2-(p-置換フェニル)エチレン構造の添加剤の合成と物性" 第23回液晶討論会講演予稿集. 23. 370-371 (1997)
-
[Publications] 井上 誠一: "1-(4-アルキルシクロヘキシル)-2-(p-置換フェニル)-1,2・ジフルオロエチレン添加剤の合成と性質" 日本化学会第74春季年会講演予稿集. II. 1E415- (1998)