1997 Fiscal Year Annual Research Report
包接化合物を用いるフラーレンの新規精製法の確立とその包接錯体の機能化
Project/Area Number |
07555589
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Research Institution | KYUSYU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
新海 征治 九州大学, 工学部, 教授 (20038045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 篤志 九州大学, 工学部, 助手 (90274505)
竹内 正之 九州大学, 工学部, 助手 (70264083)
浜地 格 九州大学, 工学部, 助教授 (90202259)
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Keywords | フラーレン / カリックスアレーン / 包接錯体 / アロステリック効果 / セシウムイオン / リチウムイオン |
Research Abstract |
これまでの研究から、未修飾のホモオキサカリックス[3]アレーン、カリックス[5]アレーンおよびカリックス[6]アレーン[60]フラーレンをその空孔内に取り込むことが確認された。これに対し、カリックス[4]アレーン、およびカリックス[8]アレーンは[60]フラーレンと溶液中で安定な錯体を形成しないことが明らかとなった。以上の結果より、カリックスアレーンが[60]フラーレンを取り込むためには"cone"構造に予備組織化されていることが重要であることが示された。 そこで、金属イオン添加により、カリックスアレーンのコンホメーションを制御し、[60]フラーレンを取り込むことが可能となるカリックスアレーン誘導体の構築を目指した。金属イオンの非存在下では、ヘキサエステルカリックス[6]アレーンは[60]フラーレンを取り込まないが、セシウムイオンを添加すると[60]フラーレンを取り込むことが可能となった。一方、トリヘキサエステルホモオキサカリックス[3]アレーンにおいても、同様にリチウムイオンの有無により[60]フラーレンの錯化を制御できることが明らかとなった。以上のように、適当な金属イオンの存在-非存在により、ヘキサエステルカリックス[6]アレーンやトリヘキサエステルホモオキサカリックス[3]アレーンにおいて[60]フラーレンレセプターとしての正の"アロステリック効果"が観測された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 池田 篤志: "Solution complexes formed from C_<60> and calixarenes.On the importance of the preorganized structure for cooperative interactions" Tetrahedron Letters. 38・12. 2107-2110 (1997)
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[Publications] 池田 篤志: "Synthesis and Metal-Binding Properties of Novel"Fullerenocrowns"" Chmistry Letters. 5. 407-408 (1997)
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[Publications] 池田 篤志: "Novel Cavity Design Using Calix[n]arene Skeletons:Toward Molecular Recognition and Metal Binding" Chmical Reviews. 97・5. 1713-1734 (1997)
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[Publications] 新海 征治: "カリックスアレーン -形の多様性を利用したホスト分子-" 化学. 53・3. 26-28 (1998)
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[Publications] 池田 篤志: "On the Prerequisits for the Formation of Solution Complexes from[60]Fullerene and Calix[n]arenes:A Novel Allosteric Effect between[60]Fullerene and Metal Cations in Calix[n]aryl Ester Complexes" Tetrahedron. (発表予定). (1998)