1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555593
|
Research Institution | SCIENCE UNIVERSITY OF TOKYO IN YAMAGUCHI |
Principal Investigator |
戸嶋 直樹 山口東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (50011010)
|
Keywords | 導電性高分子 / 触媒酸化重合 / ポリアニリン / ポリピロール / スルホン化ポリアニリン / o-アミノ安息香酸 / o-アミノベンゼンスルホン酸 / 酸素酸化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、電流を通すプラスチックとして興味をもたれている芳香族系導電性高分子の大量合成をめざして、従来の化学量論量の、従って大量の酸化剤を用いる方法に代わる、新しい触媒化学的な合成法の開発にある。 本研究者らは、すでに、塩化銅(1)-塩化アルミニウム-酸素系の触媒を用いてベンゼンからポリフェニレンを、ピロールからポリピロールを合成する反応を開発している。この酸化重合触媒は、塩化アルミニウムを含んでいるため、酸素分子の還元で生成する水に対して鋭敏で、失活するという欠点を持っている。 そこで本研究では、水に対して強い新しい酸化重合触媒系を開発することを目指した。その結果、ピロールとその誘導体の酸化重合に塩化鉄(III)-酸素系が、アニリンとその誘導体の酸化重合に塩化銅(II)-酸素系が、それぞれ有効であることを明らかにした。 一方、導電性高分子の加工性が低いという欠点を補うため、前駆体法で前駆体となる高分子として、ポリ(o-アミノ安息香酸)の新しい合成法を開発した。このポリ(o-アミノ安息香酸)を加熱すると脱炭酸が起こりポリアニリンになる。また、o-アミノベンゼンスルホン酸を原料として、可溶性導電性高分子のスルホン化ポリアニリンを合成する方法を開発した。 本研究の触媒化学的重合法は、地球環境にやさしい方法であり、製品の低コスト化にもつながり、高分子合成の進むべき方向を示唆する重要な研究であると考える。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] N.Toshima: "Catalytic Synthesis of Conductive Polypyrrole Using Iron (III) Catalyst and Molecular Oxygen" Synthetic Metals. 79・2. 165-172 (1996)
-
[Publications] 戸嶋直樹: "芳香族系導電性高分子の合成-最近の動向" 研究開発ニューズ. 6. 1-7 (1996)
-
[Publications] H.Yan: "Novel Syntheses of Poly(o-aminobenzoic acid) and Copolymers of o-Aminobenzoic Acid and Aniline as Potential Candidates for Precursor" Bull.Chem.Soc.Jpn.69・8. 2395-2401 (1996)