1996 Fiscal Year Annual Research Report
脱蛋白天然ゴムラテックスを原料とするゴム新素材の開発
Project/Area Number |
07555594
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Section | 試験 |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田中 康之 東京農工大学, 工学部, 教授 (80015114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 成元 東京農工大学, 工学部, 助手 (00242248)
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Keywords | 脱蛋白天然ゴム / ラテックス / グラフト共重合 / 液状ゴム / 酸化分解 / ゲル生成 / レドックス開始剤 / グリーン強度 |
Research Abstract |
これまでに確立した脱蛋白処理法によって得た脱蛋白天然ゴムラテックスを利用して新材料開発及びラテックス貯蔵中の分子量と物性の変化について検討した。脱蛋白天然ゴムラテックスはtert-ブチルヒドロペルオキシド/テトラエチレンペンタミン系のレドックス開始剤を用いると主鎖の分子量低下を起こさず、スチレンのグラフト共重合が効率よく進行することが分かった。通常の高アンモニアラテックスよりスチレン含有率が高く、グラフト効率87%が得られた。ポリイソプレン鎖のオゾン分解で得られるグラフトスチレン鎖の分子量は通常の天然ゴムより低く、グラフト点の多いことが分かった。脱蛋白天然ゴムとスチレンのグラフト共重合体から作成したフィルムは天然ゴム自体の約3倍の引張強度を示した。これらのことから界面活性剤で安定化した脱蛋白天然ゴムはグラフト共重合体の合成に有利であることが明かとなった。 脱蛋白天然ゴムラテックスに過硫酸カリと1-プロパナ-ルを加えて65℃で振盪すると、ラテックス濃度や界面活性剤の種類によらず急速に低分子化し、5時間で[η]は1以下に達した。アルデヒドは酸化分解で生じたポリマー末端アルデヒドとアルドール縮合してポリマーの再結合を防止していることが分かった。末端基はケトンと数種のアルデヒドから成り、エポキシ基も数%生成することが認められた。得られた低分子量天然ゴムはラテックスとして安定に存在することから、従来にない液状ゴム材料としてその応用を検討することとした。 脱蛋白天然ゴムラテックスは適当な老化防止剤(2,6-di-tert-butyl-4-methylphenolなど)を添加すると貯蔵中に分解を起こさず、また、ゲルの生成やグリーン強度の変化もなく貯蔵できることが分かった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Toshiaki SAKAKI,Yuichi HIOKI,Makoto KOJIMA,Akihito KUGA,and Yasuyuki TANAKA: "HIGHLY PURIFIED NATURAL RUBBER I.PREPERATION OF ANIONIC LATEX AND ITS PHYSICAL PROPERTIES." 日本ゴム協会誌. 69.8. 553-556 (1996)
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[Publications] Yasuyuki TANATKA,Atsuko KAWASAKI,Yuichi HIOKI,Eiji KANAMARU,and Kazuhiko SHIIBATA: "HIGHLY PURIFIED NATURAL RUBBER II.EFFECT OF SMALL PARTICLES." 日本ゴム協会誌. 69.8. 557-561 (1996)
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[Publications] Masaharu HAYASHI,Shinichi NAKADE,Makoto SUNAGAWA,Teturo KANO,Kumiko TUKAMOTO,and Yasuyuki TANAKA: "HIGHLY PURIFIED NATURAL RUBBER III.BIOLOGICAL PROPERTIES." 日本ゴム協会誌. 69.8. 562-565 (1996)