1995 Fiscal Year Annual Research Report
主鎖炭化水素型液晶性ポリマーのシャッター材料への応用
Project/Area Number |
07555595
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
川上 雄資 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (80109280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 亨 住友電気工業(株), 主任研究員
後藤 幸平 日本合成ゴム(株), 主任研究員
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Keywords | 分子設計 / シロキサン / 液晶性高分子 / ブレンド / マトリックス / 相分離構造 / 液晶分散 / 液晶シャッター |
Research Abstract |
シロキサンスペーサーをもつポリスチレンが、スペーサーのモビリティを反映して、新規な液晶性ポリマーとなることを見い出した。このようなポリマーをマトリックスポリマーとするブレンドの相構造を制御して有用なシャッター材料を開発するために本研究を行なった。この際、素構造である分散の均一性や、その空間的配列状態の制御が、機能を高度に発揮させるために必須である。 まず、モノマーについて、その合成法を確立した。収率、純度の面では若干問題があり、検討を加えた結果、効率のよい合成法を確立することができた。ついで、シロキサンをスペーサーとし、種々の構造のメソゲンをもつ重合度の制御されたポリスチレン型液晶性高分子を合成した。このポリマーの熱分析を行ったところ、幅広い温度範囲で新規な液晶性高分子となることが分かった。ポリマーの主鎖の分子量・分子量分布と、高分子固体構造、発現液晶相の構造、自発分極などの関係をNMR、 FT‐IR、示差走査熱分析、熱機械的分析、偏光顕微鏡観察などにより検討し、分子量や分子量分布が液晶構造に与える影響を定量的に解明することができた。この成果は、Polym. Bull. に受理され、近々印刷される予定である。 このポリマーは、自己保持性があり、また、広い波長範囲の可視光に対して透明であり、このポリマーをマトリックスポリマーに少量分散させて、制御された海島構造発現の可能性の検討、ブレンドが作るドメインの大きさを制御し、低分子液晶分散のリザーバーとする可能性の評価を行なう準備を行なった。 今後、重合度を制御したポリマーを用い、マトリックスポリマーとの相溶性、相分離構造を検討し、リザーバーとしてのブレンドの相分離構造の均一性を制御する、また、ポリマーと低分子液晶の組み合わせを変えて、小角X線散乱などの分析手段を用いて評価しながら、液晶分散の均一性を制御することなどが必要である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] A.Mori: "A Facile Synthesis of Disiloxane with Functional Groups." Chem. Lett.107-108 (1995)
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[Publications] T.Sano: "Silicate Membrane for Separation of Acetic Acid/Water Mixture." Chem Lett.153-154 (1995)
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[Publications] Y.Kawakami: "New PolydieneSide‐Chain Liquid Crystalline Polymers. Synthesis and Microstructure." Macromolecules. 28. 816-826 (1995)
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[Publications] T.Sano: "Separation of methanol/methy1‐tert‐buty1 ether mixture by pervaporation using silicalite membrane" J. Membr. Sci.107. 193-196 (1995)
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[Publications] Y.Kawakami: "Synthesis and Characterization of Side‐Chain Liquid Crystalline Polydienes and Their Hydrogenated Derivatives." Polym. J.(印刷中). (1996)
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[Publications] 森 敦紀: "環状シロキサン、ポリジメチルシロキサンの開裂反応を利用する官能基をもつオリゴシロキサンの合成" 接着学会誌. (印刷中). (1996)
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[Publications] 山下雄也監修(川上雄資分担執筆): "高分子合成化学" 東京電機大学出版局, 415 (1995)
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[Publications] L.A.Paquette Ed.(Y.Kawakami,一部執筆): "Encycl. Reagents Organic Snth. Vol.2" John Wiley & Sons, 1526 (1995)