1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555596
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
高田 十志和 大阪府立大学, 工学部, 教授 (40179445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東郷 重左衛門 日華化学(株), 研究開発本部, 本部長
中西 三郎 大阪府立大学, 工学部, 講師 (40081343)
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Keywords | ポリスルホキシイミン / スルホンイミドイルクロリド / Friedel-Crafts重合 / 塩化第二鉄 / 溶解性 / 耐熱性 / 重縮合 / 含硫黄高分子 |
Research Abstract |
本研究では、実施計画に従い、目的とするポリスルホキシイミンの合成法の確立、高分子反応による主鎖変換、及び生成ポリマーの基本物性に関し種々検討した。また、重合反応の効率化のための重合反応機構の解明についても検討した。 まず、本研究で用いるモノマーであるスルホンイミドイルクロリドは、ジフェニルエーテルを出発原料として、スルホン化、塩素化、還元、及び塩素化を経てクロラミン-Tと反応させることにより、overall収率47%という高収率で得られることがわかった。ついで、このモノマーをニトロベンゼン中塩化第二鉄(10%)を触媒として120℃で加熱することにより、80%の収率で目的のポリスルホキシイミンを得た。このようなFriedel-Crafts型の反応に通常用いる酸である塩化アルミニウムや四塩化すずは、当量用いても、また触媒として用いても塩化第二鉄ほどの良好な結果は与えなかった。また、溶媒としてスルホラン、ジクロロエタンなどを用いても良好な結果は得られなかった。さらに、触媒量や温度についても検討を行った結果、上記の条件を最適条件と決定した。尚、重合の際条件によっては硫黄官能基が脱離したビフェニル構造が含まれる可能性のあることが詳細なモデル実験から明らかになるとともに、それが分子内の酸触媒イプソ置換反応によるものであることが示唆された。つぎに、濃硫酸を用いて主鎖スルホキシイミン(N-Ts体)のN-トシル基のトシル基をはずし、無置換体(N-H体)を転換率80%で得た。これらのポリマーの熱的性質と有機溶媒への溶解性を検討した結果、溶解性に大きな差は見られなかったが、N-H体は極めて高い熱分解温度を示し、対応するポリスルホンに匹敵する良好な耐熱性を備えていることがわかった。
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Research Products
(1 results)