1997 Fiscal Year Annual Research Report
経年プラントの非破壊劣化計測と寿命予測システムの開発に関する研究
Project/Area Number |
07555616
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
庄子 哲雄 東北大学, 工学部, 教授 (80091700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉川 欣治 東北大学, 工学部, 助手 (30005368)
中島 美樹子 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (80005488)
渡辺 豊 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10260415)
坂 真澄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20158918)
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Keywords | 非破壊計測 / 寿命評価 / 材質劣化 / き裂 / 疲労 / クリープ / 脆化 / 遺伝的アルゴリズム |
Research Abstract |
平成9年度には、損傷評価・寿命予測のための要素技術たる非破壊計測手法の開発およびそのシステム化のための損傷診断アルゴリズムの開発の両面から研究を進め、成果をとりまとめた。以下にその内容を記す。 (1)非破壊劣化計測手法の開発および高度化 昨年までに引き続き、非破壊計測法が未だ用意されていない経年劣化現象について手法開発を行った。とくに、超臨界ボイラの伝熱管・主蒸気管など主要耐熱構造部材として最近本格的に実用化が進みつつあるタングステン添加フェライト系耐熱鋼および一方向凝固ニッケル基超合金製のガスタービン動翼のクリープ損傷について非破壊計測法を開発した。昨年度までに開発済みの手法についてはデータ拡充を継続した。これらの手法をあわせて、経年劣化非破壊計測・評価の標準化法案としてまとめた。これにより、低合金鋼、オーステナイト系ステンレス鋼からニッケル基超合金にわたる広範囲な構造用合金を対象として、クリープ損傷、時効脆化、疲労損傷など多岐にわたる経年劣化現象についての非破壊計測法が用意された。 (2)損傷要因および寿命診断システムの開発と性能評価 昨年度は遺伝的アルゴリズムを導入することにより損傷支配因子の抽出とその影響度評価および寿命予測を可能とする推論システムの原型を構築したが、本年度はこのシステムを実機の経年損傷の評価に適用してさらにシステム開発を進めるとともにその性能評価を行った。具体的には、化学プラント熱交換器の腐食損傷を対象として本システムを適用し、多岐に渡る条件因子の中から寿命を支配する因子を自動抽出するとともにその影響度を自動評価することに成功した。本システムの推論精度を既存の推論手法と比較評価して良好な性能を確認し、寿命予測への展開も可能となった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 駒崎慎一: "Ni基超合金INCONEL718の高温低サイクル疲労に伴うすべり帯エッチング特性の変化" 日本機械学会論文集(A編). 63・611. 1481-1488 (1997)
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[Publications] Shin-ichi Komazaki: "Nondestructive Evaluation of High Temperature Low-Cycle Fatigue Damage" Proceedings of Superalloys 718,625,706 and Various Derivatives. 617-628 (1997)
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[Publications] 佐藤 武司: "遺伝的アルゴリズムによる熱交換器腐食寿命支配因子の評価" 材料と環境'97講演集. 213-216 (1997)
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[Publications] 佐藤 武司: "遺伝的アルゴリズムによる熱交換器腐食寿命支配因子の評価(2)" 第44回材料と環境討論会講演集. 187-190 (1997)
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[Publications] 村山 稔: "集中誘導型交流電位差法による疲労損傷の非破壊評価" 日本機械学会論文集(A編). 63・609. 1119-1125 (1997)