スクラッチ試験における皮膜破損機構解明システムの開発

1996 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07555619
• Research Institution: Nagaoka University of Technology
• Principal Investigator: 武藤 睦治 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00107137)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 井原 郁夫 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (80203280) ; 古口 日出男 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (90143693)
• Keywords: スクラッチ試験 / コーティング材 / 皮膜破損機構 / 密着性

Research Abstract

(1)試作したスクラッチ試験における皮膜破損過程その場観察装置の性能試験をかね、SKH51基材上にCVDおよびPVDにより作製したTiCおよびTiN皮膜のスクラッチ試験を行った。その結果、本試作装置が、スクラッチ試験機として従来の試験機と同等の性能を有していることが確認された。また、CVDにより作製したTiCおよびTiNおよびPVDで製作したTiCは、比較的ばらつきが少なく、臨界荷重の決定も容易であることが明らかになった。一方、PVDで作製したTiNは最も高い臨界荷重を示すが、その荷重の決定は明瞭ではなく、結果として値がばらつきやすいことが分かった。これは、スクラッチによる損傷過程の相違によるものと考えられる。
(2)ガラス基板上にHfをコーティングした試験片のスクラッチ試験を行い、その場観察を試みた。現時点では、連続的にテープ等の記録媒体に保存することが十分できていないので、その損傷過程は必ずしも明瞭ではないが、CRT上での連続的な目視による観察では、押し付け荷重の増加に伴い、ある段階で、圧子周りにリング上のき裂がHf皮膜に発生し、圧子の移動と共に、それがスクラッチ方向に重なりながら、最終的にはく離をもたらしているようであった。