1996 Fiscal Year Annual Research Report
ファンの直接制御により自然風の風速と風向の変動を模擬する新しい風洞の試作
Project/Area Number |
07555637
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
野村 卓史 日本大学, 理工学部, 助教授 (50126281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 陽三 東京大学, 工学部, 教授 (20111560)
木村 吉郎 東京大学, 工学部, 助教授 (50242003)
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Keywords | 自然風 / 風速変動 / 乱れスケール / 風洞 / モーター制御 |
Research Abstract |
第2年度に当たる本年度では,まず,前年度末に製作したACサーボ・モーターでファンを駆動する小型風洞の基本性能と生成される風速変動の特性を調べる実験を行った.風洞は,口径20cm,長さ1.1mの円筒の押し込み型である.最大風速は当初は6m/sであったが,生成される気流の乱れが大きかったので吹き出し口の口径10cmの縮流洞を追加して乱れを除去することにした結果,最大風速は13m/sになった. この風洞にステップ波と正弦波を入力電圧変動として与え,吹き出し口近くでの風速変動を熱線流速計で測定とたところ,前年度に最初に使用したインバータ-・モーターでファンを駆動する風洞に比べてはるかに応答がよく,ACサーボ・モーターが所期の制御性能を有していることが明らかになった.ステップ波に対しては風速差の大きさによらず瞬時に変動する風が生成されること,正弦波に対しては周期1秒以上であれば極めて正確に変動を再現することを確認した.また,変動風速がゼロを目指すときには,ファンが停止した後にも慣性で空気が運動を続けるため,応答が比較的悪くなる特性があることも見い出された. さらにカルマンスペクトルに従う人工的な自然風変動を入力波として与える実験を行った.乱れ強さを10%とし,平均風速を4m/sから9m/sの間で与え,さらに乱れスケールを10mおよび100mとした.その結果,インバータ・モーターの風洞では再現できなかった微細な変動まで忠実に再現すること,平均風速が高い場合でも良好な再現性をゆうしていることを確認できた. 以上の検討を踏まえ,同規格の風洞をさらに2本製作した.3本の風洞を組み合わせて,風速変動の再現性をさらに向上すること,および風向変動を模擬すること,の2点について引き続き検討を続けている.
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Research Products
(1 results)