1996 Fiscal Year Annual Research Report
大深度地下空間における避難誘導システムを組み込んだ安全性評価シミュレータの開発
Project/Area Number |
07555651
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 試験 |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柏原 士郎 大阪大学, 工学部, 教授 (70029164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪田 弘一 大阪大学, 工学部, 助手 (30252597)
横田 隆司 大阪大学, 工学部, 助手 (20182694)
吉村 英祐 大阪大学, 工学部, 助教授 (50167011)
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Keywords | 地下街 / 避難 / シミュレーション / 誘導 / 大深度地下 / 防災 |
Research Abstract |
本研究は、大深度地下空間の特質を建築人間工学の面からとらえて、その特質を考慮した避難誘導システムを導入して大深度地下空間の避難安全性を評価するシミュレータを開発すること、ならびに、このシミュレータを用いて地下空間の安全化のための空間構成手法を提案することを目的としている。 本年度の研究結果は以下のとおりである。 1.梅田地区地下街を対象として、地下空間における誘導標識・サインの見認性を実態調査した結果: (1)誘導標識・サインの設置には、管理主体の違いによる表記内容の偏り、デザインや表現方法の不統一、同一地点での二方向表示などの問題点がある。 (2)誘導灯については、設置距離の基準は守られているが、取り付け場所や取り付け状況には問題が多く、天井の断面形状や他の広告の位置・形状などを総合的に判断した設置基準を設ける必要がある。 2.避難誘導システムの開発を行った結果: (1)メッシュシステムにより平面空間を表現し、階段やエレベータなどの縦方向の動線を通して人間の避難や煙の伝搬をCRT上に表示できるシステムを開発した。これにより、扉の開閉の有無や出火点の位置など、さまざまなパラメータを変化させたシミュレーションが可能である。 (2)簡単なプランを用いたケーススタディを行い、地下空間の方が地上の建物空間よりも、はるかに火災時には危険であり、安全性の確保は困難であることが明らかになった。 以上の結果より、おおむね今年度の研究計画を達成できたと考えられる。次年度は、最終年度として、このシミュレータを用いて地下空間に求められる安全性を検討し、大深度地下空間の実現可能性を探る予定である。
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