1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555659
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高木 節雄 九州大学, 工学部, 助教授 (90150490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮楠 克久 日新製鋼(株)、技術研究所, 室長
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Keywords | 高強度鋼 / 非磁性 / 加工誘起変態 / 結晶粒微細化 |
Research Abstract |
コンクリート構造物用の高強度非磁性鋼の開発を目的として,加工誘起マルテンサイトの逆変態処理による結晶粒の微細化および侵入型元素であるCの固溶強化によって高強度化が可能なFe-Mn-C3元合金について,成分と組織の関係や加工誘起変態挙動について調査した。 加工誘起マルテンサイトの逆変態を利用して結晶粒の微細化を図るには,(1)溶体化処理後にa'マルテンサイトが生成しない。(2)室温での強加工によって全てマルテンサイト組織となる。という条件を満たしていなければならない。 まず,鋼の成分と溶体化処理によって得られる組織の関係についてX線回折および微分干渉顕微鏡を用いて検討し,条件(1)を満たす成分について調査した結果,以下の関係式が成立する場合に溶体化処理後a'が形成されないことがわかった。 [%M]+10[%C]>27・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1) 次に,溶体化処理で得られた試料に90%の冷間加工を施し,X線回折および微分干渉顕微鏡を用いて組織の同定を行った結果,以下の関係式が成立する場合に加工誘起a'が生成することがわかった。 [%Mn]+20[%C]<22・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2) 以上の(1)および(2)式をいずれも満足する成分範囲は,以下の関係式で表される。 27-10[%C]<[%Mn]<22-20[%C]・・・・・・・・・・・(3) (3)式を満足する成分のうち,より炭素量を増加させて高強度化が図れる鋼はFe-13Mn-0.4C合金であり,現在本合金において加工誘起マルテンサイトの逆変態を利用した結晶粒微細化の検討を行い,実験をすすめている。
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