1995 Fiscal Year Annual Research Report
金属熱還元法によるZr-Ni-Mn系水素吸蔵合金の直接製造法の開発
Project/Area Number |
07555667
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
板垣 乙未生 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (80006048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 誠 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (30241582)
日野 光久 東北大学, 素材工学研究所, 助教授 (40005335)
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Keywords | 金属熱還元法 / カルシウム還元 / 合金直接製造法 / Zr-Ni-Mn系合金 / 水素吸蔵合金 |
Research Abstract |
還元剤としてカルシウムを用い,金属ニッケルと酸化物から粉末状のZr(Ni_<0.6>Mn_<0.4>)_2合金を直接的に作製する実験を行ない,作られた合金の水素吸蔵特性を評価した結果について以下に示す。 1.合金化反応は,反応の初期段階で生成される低融点のNi-Ca合金を介してカルシウムの融点(842℃)以下の温度でも起こり,1000℃では2時間程度の短時間で完了する。 2.反応が完了した合金粒子内には,Zr33,Ni36,Mn31mole%の組成を有する主相とZr44,Ni49,Mn7mole%の副相とから成る2相が混在している。 3.原料となるニッケルや酸化物,カルシウム還元剤などの大きさが著しく異なると均質な合金を生成することが難しくなる。この場合,高温での均質化処理が必要とされる。 4.作製された合金は,20℃におけるPCT(平衡水素圧-合金中水素濃度-温度)相関図において,圧力約3気圧,幅(n_H)おおよそ0.5のプラトーを呈する。このプラトー幅は,溶製法により作製された同一組成の合金の値(n_H=1.0)よりもかなり小さい。 5.合金粒子表面に存在する酸化物がプラトー幅を狭くしている要因と考えられ,金属熱還元法による合金製造プロセスでは,合金表面に酸化物を生成させない条件を設定することが重要である。また金属熱還元法の後処理工程として,合金表面の清浄化工程を導入することも有用と考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K. Yamaguchi: "Heat Content and Heat of Formation Measurements of RNi_5 Alloys (R≡La, Ce, Pr or Nd) and Heat Balance in a Reduction-Diffusion Process" J. Alloys and Compounds. 221. 161-168 (1995)
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[Publications] M. Ohtsuka: "Formation of RE_xNi_y(RE≡La, Ce, Pr or Nd) Compounds by Calciothermic Reduction of La_2O_3, CeO_2, Pr_6O_<11> and Nd_2O_3" J. Alloys and Compounds. 230. 46-52 (1995)
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[Publications] 松本実: "カルシウム熱還元法で作製されたTi-Ni合金粉末の特性" 東北大学素材工学研究所彙報. 51(印刷中). (1995)