1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555673
|
Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
橋本 和彦 工学院大学, 工学部, 教授 (20023484)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉持 智宏 工学院大学, 工学部, 助教授 (40100292)
木村 真人 名古屋大学, 農学部, 教授 (20092190)
|
Keywords | ナイロン4 / 生分解性高分子 / ポリアミド / 親水性 / 糖酸 / グルカル酸 / 水酸基 / 微生物分解 |
Research Abstract |
合成ポリアミド(ナイロン)、特に単純な繰り返し単位をもつナイロンは、一般に自然環境下では分解しにくいと考えられている。機械的強度が強く人間生活に不可欠のナイロンに生分解性をもたせることができれば用途がさらに広がるはずである。本研究では、比較的構造の簡単な各種ナイロンの土壌中での分解性を検討した。まず昨年度に引き続き、市販のα-ピロリドン(1)を高真空ライン中で精製し、そのアニオン重合により高分子量のナイロン4を得た。合成したナイロン4膜に加えて、ナイロン66およびナイロン46とのブレンド膜を作成し、名古屋大学の農学部付属農場の各種連用土壌を用いて、土中埋没試験を行った。その結果堆肥を含む土壌中でナイロン4膜のみが特異的に迅速に分解消失し、他の市販ナイロン66膜およびナイロン46膜は6カ月間経っても何の変化もなかった。また他の土壌(堆肥を全く含まない土壌、化学肥料含有土壌、クロレラ含有土壌など)中ではナイロン4膜もほとんど分解しなかった。そこで堆肥入り土壌をより詳しく検討し、興味ある結果を得た。堆肥のみではナイロン4膜はほとんど分解せず、土壌中の堆肥含有量には最適値があること、また畝の中心から採取した土壌より、畝から1m離れた土壌中の方がナイロン4膜が迅速に分解することなどがわかった。それゆえ、堆肥を含む土壌中に生息する、微生物あるいはバクテリアがナイロン4膜の分解に関与しているものと推測した。現在までに培養法により分解菌の1つを単離することに成功した。この成果を基に生分解性ナイロン開発に弾みがつくものと確信する。
|
-
[Publications] K.Hashimoto,S.Wibullucksanakul,and M.Okada,: "Synthesis of Polyurethanes from Saccharide-Derived Diols and Diisocyanates and Their Hydsrolyzability" Macro.Chem.Phys.197(1). 136-147 (1996)
-
[Publications] S.Wibullucksanakul,K.Hashimoto,and M.Okada,: "Swelling Behavior and Controlled Release of New Hydrolyzable Poly(ether urethane)Gels Derivred from Saccharide and L-Lysine Derivatives and Poly(ethylene glycol)" Macro.Chem.Phys.197(6). 1864-1876 (1996)
-
[Publications] S.Wibullucksanakul,K.Hashimoto,and M.Okada,: "Hydrolysis and Release Behavior of Hydrolyzable Poly(ether urethane)Gels Derived from Saccharide-,L-Lysine,and Poly(propylene glycol)" Macro.Chem.Phys.198(in press). (1997)
-
[Publications] K.Hashimoto,T.Oi,J.Yasuda,K.Hotta,and M.Okada: "Molecular Weight Distribution of the Polyamides Obtained in Anionic Polymerization of Methyl-Substituted β-Lactams and Aminolysis of Their N-Benzoyl Lactams" J.Polym.Sci.,Part A:Polym.Chem.34(4)(in press). (1997)
-
[Publications] K.Hashimoto: "Polymeric Materials Encyclopedia" CRC Press,Boca Raton(Florida), 6 (1996)