1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555677
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
猿山 靖夫 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (50162532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有井 忠 理学電機株式会社, 熱設計部, 部員(研究職)
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Keywords | 光加熱式動的DSC / 動的DSC / 光加熱用アタッチメント / 装置開発 / 高分子 / 融解 / ガラス転移 / 結晶化 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画の中心は、光加熱用アタッチメントの設計と、市販DSC装置からの信号取り出し法の決定であった。光加熱用アタッチメントについては、最も重要なDSC装置への入射部の設計が完了し、製作中である。試作装置であるため、入射条件を色々に変えられるよう、光ファイバーの取り付け部分に3次元的な自由度を持たせてある。これにより、最適入射条件を実現することができる。信号取り出しについては、信号読みとり用の計測器の性能、計測値のコンピューターへの読み込み方法、コンピューター内でのデータ処理等との関係を詳細に検討の上決定した。DSC信号のS/N比を良好に保つために、DSC装置内では初段の増幅のみを行い、外部への取り出し後に高速、高分解能のデジタル電圧計を使用することにした。また試料温度については、熱電対出力の温度値への換算を外部コンピューターで行うことにした。近年のコンピューターの高速化により、測定中に同時的に換算を行うことができる。 以上の他、コンピュータープログラムの開発に、通常の開発言語ではなく、ビジュアル表示を用いた計測システム開発専用の言語の採用を決定した。これにより、開発時間が短縮されると共に、将来の改良、変更も容易になる。これは装置試作には重要な要素である。更に測定の基礎理論の検討を行った。市販の動的DSC装置で用いられているデータ処理法は、本研究で開発する高性能の装置では不適切になる。この点を克服するために、より現実的な装置の数学的モデルを立て、近似を用いない計算を行った。 以上のように、本年度の当初研究実施計画を上回る実績を上げることができた。来年度は実際の測定を行う中から問題点を煮詰め、装置の完成を目指すと共に、製品化の場合の問題点についても考察を進める予定である。
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