1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555677
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
猿山 靖夫 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (50162532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有井 忠 理学電機株式会社, 熱設計部, 部員(研究職)
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Keywords | 光加熱動的DSC / 温度変調DSC / TMDSC / 変調周波数 / 光加熱アタッチメント / 光ファイバー / 周期的加熱 |
Research Abstract |
今年度の研究では、光加熱アタッチメントの完成が第一に行われた。光加熱アタッチメントは光源、固定偏光板、回転偏光板、回転用ステッピングモーター、モニター用検出器集光用レンズで構成された。これらをどのように配置するのが、最も適当であるかを、実際に出力信号を観測しながら決定した。具体的な構造は、成果報告書に図示してある。モニターの出力信号は、良好な正弦波型の波形を示したが、測定試料と参照試料の温度差信号は、変調周波数の半分の周波数の歪みがわずかに含まれていた。しかし、歪みは1/2周波数の成分のみであるため、変調二周期分のデータのフーリェ成分を求めることにより、影響を受けずに測定することができる。光源とDSC炉体をフレキシブルな光ファイバーで接続したため、炉体への光入射部は試料入れ替えの際、完全に取り除くことができ、試料位置決めに非常に大きな効果があった。これらの結果より、この方法による光加熱アタッチメントが、製品化可能であることが明らかになった。 装置内回路を改造して取り出したアナログ信号は、第一号装置に比較して分解能が高く、S/N比も良好であった。信号の変化部分のみを大きく取り出すために、直流成分を差し引いた上で増幅する方法を採用した。通常のDSC信号が大きな変化を示すときには、変調信号のみを大きく取り出すことは困難であるが、ガラス転移等では十分に大きな効果が期待できる。 データ収集・解析用プログラムは完成に至らなかったが、テスト用プログラムを使用して、データ収集システムの動作が良好であることは確認できた。 以上により、光加熱式動的DSCの製品化可能な形での開発について、本質的な問題は全て解決することができた。
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Research Products
(1 results)