1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555680
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
鈴木 健之 東京農工大学, 工学部, 教授 (70092559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 智志 東京農工大学, 工学部, 助手 (60240545)
野間 竜男 東京農工大学, 工学部, 講師 (20180771)
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Keywords | 電解液 / 放電 / 超高温 / 電解加熱 / タングステン / モリブデン / プロトン衝撃 |
Research Abstract |
液中で2500℃以上の超高温を発生させることを目的として、以下の実験を実施し新しい知見を得た。 1実験方法: 電解液に黒鉛陽極と金属陰極を浸し、電極間に電圧を印加して金属陰極を発生水素で覆う。更に高電圧を印加して水素を通して放電を発生させ、プロトンの衝撃によって液中の金属陰極を加熱した。 2電源: 位相制御方式の電源は、放電による電気抵抗変化に伴い試料棒に振動騒音を引き起こし同時に電解液を激しく飛散させた。トランス方式の電源においては静かで液の飛散のない放電加熱が可能であった。 3電解液: メタノール、エタノール、エチレングリコール、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムの水溶液を試みた。このうちで炭酸ナトリウム水溶液系(炭酸ナトリウム濃度0.01-1.0モル%)が最も安定な放電加熱を示した。 4加熱: 銅、ステンレススチール、モリブデン、タングステン棒(管)の加熱を試みた。モリブデン(融点2622℃)、タングステン(融点3382℃)まで溶融できることが分かった。溶融温度まで加熱した試料は、タングステン棒はプロトン衝撃によるスパッタで幾分細くなるが、モリブデンまではスパッタ現象が少ない。このため約3000℃までの超高温実験が液中で行い得る見通しがついた。 展望: 今回はプロトン衝撃のための水溶液電解質を選んだが、電解液を炭素、窒素含有物としたチタン、ジルコニウム、タンタル等の浸炭、窒化あるいは超高温下における導電物質析出への応用が次の射程に入る。 これらの成果は現在雑誌に投稿準備中である。
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