1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07556022
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北川 泰雄 名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 教授 (50101168)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 幸雄 京都大学, 農学部, 助手 (10252496)
三木 清史 名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 助手 (30212228)
佐々木 義之 京都大学, 農学部, 教授 (10041013)
|
Keywords | 和牛 / 脂肪交雑 / 脂肪細胞 / 間葉系幹細胞 / C / EBP / 筋肉組織 / 免疫組織化学 / 微小生検標品 |
Research Abstract |
和牛肉の品質評価では「霜降り」と呼ばれている筋肉と脂肪がきめ細かに交雑した肉質が特に珍重されている。本研究では、培養脂肪細胞分化系の研究で蓄積した分子生物学的知識を用いて、脂肪交雑肉牛の肥育前検定法を確立することを目的とた。脂肪細胞は間葉系幹細胞から分化する細胞群に属し、前駆細胞は結合組織に広く分布している。肉牛生産では、集約的肥育による過剰なエネルギー源投与で筋肉組織内に作られる局部環境に応答して、多分化能を持つ間葉系幹細胞が脂肪細胞の方向に分化すると考えられる。培養脂肪細胞分化系による我々の研究では、この脂肪細胞分化は多段階の決定を経て達成されることが判明している。このことは、筋肉組織における脂肪細胞の分布パターンの下地は、肥育前の素牛において決定されていると推定させる。そこで、脂肪細胞の初期分化の指標となる遺伝子を特定し、その発現を特異的に検出する方法を確立し、素牛の筋肉から採取した微小生検標本の染色後の顕微観察によって、肥育後の脂肪交雑パターンを的確に予測する方法を確立しようとした。 従来の技術基盤はマウス系にあったので、これらを和牛系に移す作業を進めた。他方で、和牛個体の筋肉組織からの微小生検標品を収集し、脂肪前駆細胞の分布パターン情報の集積作業に着手した。 1)和牛のC/EBPα,β,δ遺伝子群クローンの単離:マウスのC/EBPα,β,δ遺伝子はいずれも唯一のエクソンから成る。これは牛でも同様と推定されたので、作業が簡単な染色体のC/EBPα,β,δ遺伝子群のクローンを単離した。 2)牛の組換えC/EBPα,β,δに対する特異抗体の調製:高感度のC/EBPα,β,δ検出法が要求される場合に備えて、牛C/EBPα,β,δ群の組換体を作製し、これに対する抗体を調製して免疫組織化学的方法を確立した。 3)牛の組織切片による脂肪前駆細胞分布パターン検出のパイロット実験:和牛の筋肉組織からの微小生検標品における脂肪前駆細胞の分布パターンを免疫組織化学的方法で予備的に検出した。 4)各種の和牛個体の筋肉組織の生検標品の収集:多様な和牛個体の筋肉組織からの微小生検標品を収集に着手した。
|
-
[Publications] Inagaki,H.,Matsushima,Y.,Ohshima,M.,Kitagawa,Y.: "Interferon suppresses mifochondrial gone transcription by depleting mifochondrial transcription facfor A(WTTFA)" Biochem.Biophgs.Res.Commun.219. 印刷中 (1996)
-
[Publications] Inagaki,H.,Matsushima,Y.,Ohoshima,M.,Nakamura,K.,Kadowaki,T.,Kitagawa,Y.: "A large DNA binding nucleoplasmic postein with multiple domains" L.Biol.Chem.271. 印刷中 (1996)
-
[Publications] Ujita,H.,Shinomura,T.,Ito,k.,Kitagawa,Y.,Kimata,K.: "Expression and binding activity of the carboxyl-terminal protein of the core protein of PG-M.A large chondroitin sulfate proteoglycon" J.Biol.Chem.269. 2074-2080 (1994)
-
[Publications] 北川 泰雄: "表裏極性培養による医薬生産" 学術日報. 48. 1224 (1995)
-
[Publications] 北川泰雄,新美友章,熊谷知八,岡原正樹: "α-ヘリックス鎖間会合の特異性と互換性-ラミニン異型体の形成機構を中心に-" 生物物理. 35. 63-69 (1995)
-
[Publications] 北川泰雄,稲垣英利,松島雄一,大島幹子: "新しい核マトリックス蛋白質:N/MAX" 生体の科学. 45. 252-258 (1994)
-
[Publications] 北川泰雄 他25名: "細胞外マトリックス-臨床医学への応用-" ネディカルレビュー社, 356 (1996)
-
[Publications] 北川泰雄 他20名: "細胞外マトリックス" 愛智出版, 260 (1995)