1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07556035
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Section | 試験 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寳月 垈造 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (10107170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈良 一秀 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助手 (60270899)
木佐貫 博光 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00251421)
福田 健二 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (30208954)
小島 克己 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (80211895)
井出 雄二 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90213024)
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Keywords | カラマツ属 / トウヒ属 / ヒノキ / マツ属 / 繁殖様式 / 葉緑体DNA / 多様性 / 挿し木苗 |
Research Abstract |
本研究の目的は、特定の樹種について、森林全体の家系の多様性を維持しつつ同時に特定の優良家系を拡大するための森林管理法を、その繁殖様式を基礎にして確立することにある。そこで、昨年度に引き続き、様々な観点から、林木の繁殖様式を検討した。主な結果は以下の通りである。 (1)昨年度は、カラマツとグイマツとの種間雑種について、形態的形質の遺伝を調べ繁殖様式の推定を行ったが、今年度は、カラマツとグイマツとそれらの雑種について葉緑体DNAを調べ、細胞質遺伝様式を調べた。カラマツとグイマツおよびその相互交雑家系から葉緑体DNAを抽出し、PCRを用いてrbcL遺伝子を比較すると、カラマツとグイマツでは異なっており、また、雑種についてみるとカラマツ×グイマツの場合グイマツ型を示し、グイマツ×カラマツの場合カラマツ型を示した。このことから、カラツとグイマツの葉緑体DNAを父性遺伝することが確認された。 (2)本研究のもう一つのキーワードである多様性についても検討した。昨年度の研究の結果に基づいて天然林集団から挿し木によって得られた集団の個体についてアロザイム分析を行い、そのような方法で現実に造成される森林が、どのような多様性を保持できるかについて検討を行った。その結果、挿し木群においても100クローン以上と十分に多くのクローンを増殖した場合、もとの天然林集団と変わらない多様性が保持されることが確認された。
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