1996 Fiscal Year Annual Research Report
高周波容量式水分計の自動密度補正および水分傾斜測定機能の開発
Project/Area Number |
07556040
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Research Institution | SHIZUOKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
祖父江 信夫 静岡大学, 農学部, 教授 (50023495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 志郎 名古屋大学, 農学部, 助教授 (30023443)
平井 信之 静岡大学, 農学部, 教授 (70023439)
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Keywords | 高周波容量式水分計 / 密度補正 / 水分傾斜測定 / 電極走査 / 密度-含水率同時計測 / 逆解法 |
Research Abstract |
高周波容量式水分計への密度補正と水分傾斜測定機能の付与に関する検討を行った。 従来の高周波容量式水分計には木材中で発生する水分傾斜の測定機能が備わっていない。本研究では,試験体の片側から測定する高周波容量式水分計の特徴を生かし,電極の間隔を変化させることにより,電界の分布を変化させ、表面から異なった深度における水分情報を計測する方法(電極走査法)について検討した。電極の間隔を変えた時の電気容量の変化(電気容量曲線)の形と木材中の水分分布との間には,定量的な関係が認められた。モデル実験により測定装置の水分検知感度(重み関数)をもとめ,さらに電気容量曲線は水分検知感度と水分分布を関数とする積分方程式で表されることを明らかにした。また,この積分方程式を解くための多元一次連立方程式を誘導した。片側から水分が浸透するような場合には,電極間隔を一定にした定点観測法でも平均含水率の変化を知ることができた。 高周波容量式水分計では木材密度の影響が大きいので,密度補正と含水率測定を同時に行うアルゴリズムを提案し,その収歛性を実験で確かめた。コルマンの密度-含水率ダイアグラムを利用し,質量計測に基づく見かけの密度測定値と水分計の含水率表示値を組み合わせると,2-3回の計測ループをへて密度と含水率は一定値に収歛することが確かめられ,提案のアルゴリズムの妥当性が確かめられた。
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