1996 Fiscal Year Annual Research Report
精巣毒性試験のための高精度in vitro測定法の確立
Project/Area Number |
07556064
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
九郎丸 正道 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00148636)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本道 栄一 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (30271745)
小倉 淳郎 国立予防衛生研究所, 実験動物開発室, 主任研究員 (20194524)
小川 健司 理化学研究所, 動物試験室, 研究員 (50251418)
林 良博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90092303)
|
Keywords | セルトリ細胞培養系 / 精細胞 / 精母細胞 / NGFレセプター / エルトリエーション / ラミニン / フォリスタチン |
Research Abstract |
1.まず培養細胞の形態、接着、増殖に対する細胞外マトリックスの影響を、黒色腫由来培養細胞を用いて検討した結果、ラミニンのコートが最も有効であるという結論に達した。2.各分化段階の精細胞の分離をその応用:(1)毒性試験の結果を評価する上で、従来のin vivoの実験系においては、精巣組織にみられた変化が薬剤作用の直接的な対象が精細胞と体細胞のどちら側にあるのか判別が不可能であったが、今回マウスから樹立されたセルトリ細胞とライディッヒ細胞に由来する細胞株(TM4およびTM3)の利用と、特定の発生段階にある精細胞を沈降速度の違いにより分取する遠心エルトリエーション法を組み合わせることによりこの問題を解決した。(2)分離した精細胞のうち、一次精母細胞を成熟中卵子と電気融合し、さらにその成熟完了卵子を活性化したところ、正常二倍体胚が得られることが明らかとなった。また、減数分裂前の精細胞のみを含む生後15日齢の精巣細胞を10日間培養することで、体外で減数分裂を完了させる方法を開発した。3.遺伝子発現変化の解析:培養セルトリ細胞におけるNGFレセプターの発現をRT-PCR法を用いて検討した結果、約550bpのフラグメントが検出され、培養セルトリ細胞にNGFレセプターが発現していることが示唆された。次にNGF添加セルトリ細胞培養系へ分離した精細胞を投与し、数時間培養後、ブロモデオキシウリジン(Brdu)を倍地に添加した。その結果、抗Brdu抗体で標識された精細胞数は明らかに増加していた。4.フォリスタチンの精巣における機能解析:免疫組織化学法を用いて精巣内におけるフォリスタチンの発現を検討したところ、発現はセルトリ細胞、ライディッヒ細胞には認められず、精細胞(パキテン期の精母細胞)の細胞質および核にのみ確認された。細胞質での発現は減数分裂後消失したが、核での反応は継続した。5.その他、鳥類および爬虫類の生殖細胞についても、主に形態学的観点から観察を試みた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Hashimoto,Kurohmaru et al.: "Effect of extracellular matrix on two cell lines established from Mongolian gerbil's(Meriones unguiculatus)malignant melanoma" Journal of Veterinary Medical Science. 57(4). 635-640 (1995)
-
[Publications] Nagano,Kurohmaru et al.: "Changes in lectin binding patterns of chick primordial germ cells and Sertoli cells during sexual differentiation" Journal of Veterinary Medical Science. 57(4). 623-627 (1995)
-
[Publications] Maeda,Kurohmaru et al.: "An immunohistochemical study of chick primordial germ cells using the mouse antiserum against chick embryonic gonads." Journal of Veterinary Medical Science. 57(6). 1053-1056 (1995)
-
[Publications] Hondo,Kurohmaru et al.: "Histological study of the seminiferous epithelium in the Japanese rat snake,Elaphe climacophora:Identification of spermatogonium" Journal of Veterinary Medical Science. 59(1). 23-29 (1997)
-
[Publications] Ogawa,Kurohmaru et al.: "Follistatin-like immunoreactivity in cytoplam and nucleus of spermatogenic cells in rat" European Journal of Endocrinology. in press. (1997)
-
[Publications] Ogura et al.: "Mouse oocytes injected cryopreserved round spermatids can develop into normal offspring" Journal of Assisted Reproduction and Genetics. 13(5). 431-434 (1996)