1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07556067
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
萩尾 光美 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (20128359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 正治 鹿児島NOSAI連合会, 臨床研究所, 研究係長
大崎 和栄 北海道NOSAI連合会, 講習所, 担当主幹
上村 俊一 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (90233949)
高橋 芳幸 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (70167485)
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Keywords | 超音波診断装置 / 簡易型 / 新タイプ / 開発 / 大動物 / バッテリ-駆動 / 背負い式 |
Research Abstract |
本年度は、前年度までに検討を終えた新タイプの超音波診断装置を臨床現場に広範に応用して、本システムの臨床的有効性を確認することが主たる課題であり、その成果は以下のとおりであった。 1.今回システムに採用した液晶モニターによる現場での診断能を調べるために、ホルスタインおよび黒毛和種成牛を中心に幅広く応用した結果、繁殖、心臓、腹部、体表臓器いずれにおいても、従来型のCRTモニターと比較して遜色のない形態診断が可能であることが明らかとなった。また、受精卵・胚移植上重要である小卵胞の確認においても、1ないし2mmの卵胞が明瞭に観察できた。さらに、一般電源が利用できないパドックや放牧地での直射日光下の観察についてもテストしたが、検者の体で日光を遮ったり、モニターに簡単なフードを取り付けることで画面を明瞭に観察できた。 2.本システムを牛の多頭飼育農家の定期繁殖検診に応用した結果、従来の超音波診断装置と比べて、一頭当たりの検査時間が極めて短縮されること、用手による直腸検査と同様の感覚で簡単に実施できること、検査中の検者や動物の安全性が優れることなどが判明した。 3.新システムに対応する胚移植関連の専用の聴音波探触子の開発については、長短2種について現在なお検討を継続中であるが、形状もほぼ確立し、利用能や性能などについても有効性が確認されている。 以上、本研究のポイントであった、現場で簡便に行える有効性の高い超音波診断装置を確立できた。今後残された最大の課題は装置の軽量化と考えられる。
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