1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07556069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
見上 彪 東京大学, 農学部, 教授 (20091506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠矢 幸伸 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (30021702)
望月 雅美 共立商事, 臨床微生物研究所, 所長 (90157834)
時吉 幸男 化学及血清療法研究所, 研究開発部, 室長
藤川 勇治 共立商事, 中央研究所, 副所長
大塚 治城 東京大学, 農学部, 教授 (80261957)
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Keywords | FHV-1 / TK / 組換えウイルス / TK遺伝子欠損株 / 伝染性鼻気管炎 / 遺伝子マーカー |
Research Abstract |
本研究の目的は特に猫のウイルス感染症に対して安全性、経済性、有効性全てに優れる多価リコンビナントウイルス生ワクチンを開発、実用化することである。本年度は以下のような成績を得た。 1)FHV-1親株C7301のTK遺伝子を欠損させた組換えウイルス株C7301dlTKのin vitroにおける性状は、形成されるプラークの大きさが親株と比較して有意に小さかったものの、高MOI接種による増殖曲線は親株とほぼ同じであった。 2)TK遺伝子欠損株C7301dlTKの病原性およびそのワクチン効果を評価するため自然宿主である猫を用いて2つの感染実験を行った。a)FHV-1の自然感染経路である眼窩、鼻内及び口内より強制感染させた実験では、親株C7301を接種した群が全て発熱や結膜炎を伴う典型的な伝染性鼻気管炎を呈したのに対して、TK遺伝子欠損株C7301dlTKを接種した群は経度なくしゃみや鼻水、流涙を数匹の検体で観察したのみであった。C7301dlTK接種群からの分離ウイルス量はC7301接種群よりやや少ないものの一定期間分離され、中和抗体も低いながらも誘導されていた。b)また、現行の生ワクチン投与手順に従ってTK遺伝子欠損株C7301dlTKを2回筋肉内に接種し、後に強毒の親株C7301を自然感染経路より攻撃したところ、ワクチン未接種群と比較してワクチン接種群は著しく強毒株の発症を防御した。 以上により、TK遺伝子内の450bpを欠損させた本組換えウイルスは、十分に弱毒化し、かつワクチン効果を有し、さらにTK遺伝子を持つ強毒株と区別できる遺伝子マーカーを持つ新たな生ワクチンとして有効であることを示唆できた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Maeda, K. et al.: "Restriction endonuclease analysis of field isolates of feline herpesvirus type 1 and identification of the heterogeneous regions." J. Clin.. Microbiol.33. 217-221 (1995)
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[Publications] Maeda, K. et al.: "Expression and identification of the feline herpesvirus type 1 glycoprotein B(gp143/108)." Virus Res.39. 55-61 (1995)
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[Publications] Yokoyama, N. et al.: "Construction of the recombinant feline herpesvirus type 1 deleted thymidine kinase gene." J. Vet. Med. Sci.57. 709-714 (1995)
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[Publications] Yokoyama, N. et al.: "Pathogenicity and vaccine efficacy of a thymidine kinase-deficient mutant of feline herpesvirus type 1 in cats." Arch.Virol.(In press).