1995 Fiscal Year Annual Research Report
ニトリル代謝酵素遺伝子プロモーターを利用した新規高発現ベクターの開発と応用
Project/Area Number |
07556073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 達彦 京都大学, 農学部, 講師 (70221976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 道彦 京都大学, 農学部, 助手 (90252494)
清水 昌 京都大学, 農学部, 教授 (70093250)
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Keywords | ニトリルヒドラターゼ / プロモーター / 遺伝子 / Rhodococcus / 塩基配列 |
Research Abstract |
Rhodococcus rhodochrous J1が生成する高分子量型ニトリルヒドラターゼ(H-NHase)遺伝子(nhhBA)の発現に関わる調節領域の特定を行った。 すなわち、Rhodococcus属の宿主ベクター系を用いて、nhhBAの発現に必須の4.6kbの領域の塩基配列を決定した結果、本領域には、大腸菌由来の調節遺伝子marRやhpcRと相同性を示す遺伝子nhhDとPseudomonas aeruginosaのアミダーゼの負の調節遺伝子であるamiCと相同性を示す遺伝子nhhCが存在した。各遺伝子の領域をプローブとしたノーザン解析により、これらの調節遺伝子がnhhBAの(尿素などの)アミド化合物による誘導発現において転写レベルでの制御に関わることが明らかとなった。また、プライマー伸長法により、nhhBAのmRNAへの転写は開始コドンより上流71ベース及び48ベースの2点より始まることが判明し、プロモーター領域の特定に成功した。さらに、本4.6kbの領域とともにnhhBAをRhodococcus-E. coiシャトルベクターpK4に導入し、Rhodococcs rhodochrous ATCC12674を形質転換した結果、その無細胞抽出液の50%以上をH-NHaseが占めていることが判明した。一方、上記2種類の調節遺伝子とnhhBAの間に認められた挿入配列IS1164は、nhhBAの発現調節には関与しないことが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Kobayashi, T.Suzuki, T.Fujita, M.Masuda & S.Shimizu: "Occurrence of enzymes involved in biosynthesis of indole-3-acetic acid from indole-3-acetonitrile in plant-associated bacteria, Agrobacterium and Rhizobium" Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 92. 714-718 (1995)
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[Publications] 小林達彦、清水 昌: "ニトリル代謝関連酵素" 微生物機能の多様性(別府輝彦編;学会出版センター). 139-157 (1995)
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[Publications] 小林達彦、清水 昌: "植物ホルモン・インドール酢酸生合成研究の最前線:インドールアセトニトリル経路" 化学と生物. 33. 479-483 (1995)
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[Publications] 小林達彦、山田秀明: "ニトリルヒドラターゼと化学工業への応用" 現代化学増刊28 新しい酵素研究法(一島英治、小野寺一清編;東京化学同人). 152-165 (1995)