1995 Fiscal Year Annual Research Report
低平水田地帯の農業水利再編計画に関わる水文・水質環境の診断モデル
Project/Area Number |
07556106
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
福島 晟 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (90027251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 也寸志 島根大学, 生物資源科学部, 助手 (80252899)
武田 育郎 島根大学, 生物資源科学部, 講師 (60227022)
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Keywords | 洪水流出解析 / 流出モデル / 水田地域 / 汚濁物質 / 水質浄化 / 水移動 / 物質移動 / TDR |
Research Abstract |
複雑な水田用排水系統が形成されている斐伊川下流域では、農業水利再編計画が検討されている。本研究はこうした農村地域の水文・水質環境の定量的・工業的な診断手法の検討を基本目的とする。そして、実態観測を踏まえつつ、潅漑排水計画に関わる雨水流出システムモデル、斐伊川水系の水源部から下流部までの水質環境についての調査診断、圃場レベルでの水質環境と水循環機構との関連を中心に検討した。研究実績の概要は以下のとおりである。1.(1)丘陵山地部をも包含した複数地目から構成される農村地域からの雨水流出システムに対し、KiWSモデルを活用したFORTRAN77による流出計算プログラムの作成、及び(2)流域地形効果を反映して発生させた遅延降雨系列を長短期流出両用モデルに利用するという流出解析法を提示し、その有用性を検証した。2.排水河川水のみを循環潅漑している水田地域を対象として行った水文水質調査に基づき、汚濁物質の収支及び流域のもつ水質浄化機能についての考察、また水生植物群落による浄化量を検討した。その結果、年間の流出量あるいは浄化量は、窒素は16.3kg/ha/yの流出、リンは1.14kg/ha/yの浄化、CODは26kg/ha/yの浄化となった。水生植物群落内の浄化量は、負荷量のフラックスに比べて小さかった。この理由として、河川の面積が流域面積の約1%しかないことが考えられた。3.TDR土壌水分測定装置を用い土壌中の水移動を測定した結果、土性、密度、温度、塩分濃度、プローブのタイプなどによらず一つのキャリブレーションカーブで水分量を測定できることが確認された。また、本測定装置は土壌中に埋設された金属に瞬間的に与えられた電気パルスの伝達速度や波形の衰弱から土壌の電気伝導度を測定するため測定時間が短く、かつ土壌体を破壊することなく水分量が測定可能であることから、圃場レベルでの水・物質移動に着眼した水循環機構に関する実用的な実態調査が可能と判断した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 福島晟・武田育郎・森也寸志: "水文環境の変化に伴う流出形態の変化予測のための流出モデルの開発" 島根大学農学部研究報告. 29. 23-29 (1995)
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[Publications] Takeda,I.,Fukushima,A.Tanaka,R.: "Pollution load reduction to the Lake Shinji by practicing a circular irrigation system in a rice paddy area" Proc.Int.Conf.Conserv.Manag.Lakes. 1. 410-413 (1995)
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[Publications] 武田育郎: "低平地水田地域における水質水文環境の年次変動" 応用水文. 8. 23-30 (1995)
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[Publications] 武田育郎,福島晟,田中礼次郎: "循環灌漑と水生植物による水質汚濁物質の流出削減" 用水と廃水. 37. 971-977 (1995)
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[Publications] 武田育郎,福島 晟,森也寸志: "斐伊川から宍道湖へ流出する汚濁負荷量の推定" LAGUNA. 2. 88-94 (1996)