1997 Fiscal Year Annual Research Report
植物組織培養及び植物工場のための青-赤発光ダイオード光源の製作と実用化試験
Project/Area Number |
07556111
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Research Institution | KAGAWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岡本 研正 香川大学, 工学部, 教授 (40109137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 智博 香川大学, 教育学部, 助教授 (70221645)
深井 誠一 香川大学, 農学部, 助教授 (80228858)
田中 道男 香川大学, 農学部, 教授 (10115975)
田北 晋一 香川大学, 教育学部, 教授 (20035893)
牧野 好美 東邦大学, 薬学部, 教授 (30246764)
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Keywords | 発光ダイオード / LED / 青色LED / 青カビ / マイクロプロパゲーション / biotechnology |
Research Abstract |
今回の研究では、青・赤色発光ダイオード(LED)光源を利用して、青・赤色光が植物の生長と形態形成に及ぼす影響ついて、レタス、シンビジュウム、レモンユ-カリなどの苗を材料に調査した。その結果、いずれの試料についても、青・赤色混合光の下でのみ健全な形態の生長が認められた。また、赤色光のみの場合には、茎の徒長が、青色光のみの場合には茎の伸長不良が認められた。青・赤色混合光下における最適な光環境に関しては、光照射量(光合成有効光量子束密度)一定の場合、青色光と赤色光の強度比には最適状態が存在することが明らかとなった。この最適比は試料の種類により若干の違いはあるが、ほぼ青:赤=3.7であることが分かった。 本科学研究費研究においては、青・赤LEDを光源とする様々な栽培実験装置の開発とそれらを用いた栽培実験を行ってきたが、この研究過程において研究代表者である岡本は、1997年春、青色光が青カビの生育や繁殖を抑制するという事実を発見した。そして、青色LEDを用いた防カビ貯蔵庫を発明するなど本研究は新たな展開を見せた。 さらに、1997年12月からは、青、赤色LEDに緑色LEDを加えたRGB混合白色光源を用いて植物栽培を行う一方、LED光源そのものを緑色葉センサとして利用し、試料植物の生育状況をモニターするという、世界初の「LEDによる栽培&生長センシング」手法を考案し、実験的にその有効性を確認した。この成功については、1998年1月、米国フロリダ州で開かれたNASA(米国航空宇宙局)他主催の「宇宙空間における生命維持と生物圏科学に関する第3回国際会議」で発表した。
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[Publications] 田中道男・岡本研正他: "LED光源を用いたシンビジウムのマイクロプロパゲーションにおける光要求性" 園芸学会雑誌. 第66巻別冊1. 518-519 (1997)
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[Publications] Kensho OKAMOTO: "Novel Applications of High-brightness Blue/Green Light-Emitting diodes in the fields of Horticulture,Agriculture,Forestry,Fishery,etc." Record of the 16th Electronic Material Symposium(ISSN 1343-0343). EMS '97. 269-272 (1997)
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[Publications] 岡本研正: "高輝度LEDを用いた植物栽培、新生児黄疸光線治療および青カビ防止" ディスプレイ. Vol.3,No.11. 56-65 (1997)
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[Publications] 岡本研正: "LEDの新応用" オプトロニクス. No.191. 153-162 (1997)
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[Publications] Seiich FUKAI, Kensho OKAMOTO, et al.: "Effects of Red and Blue Light on Germination and Protocorm Growth of CALANTHE SATSUMA" Lindleyana. Vol.12,No.4. 169-171 (1997)
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[Publications] M.Tanaka, T・Yanagi, K・Okamoto et.al.: "In vitro growth of Cymbidium plantlets cultured under superbright red and blue light-emitting diodes(LEDs)" Journal of Horticultural Science & Biotechnology. Vol.73,No.1. 39-44 (1998)