1996 Fiscal Year Annual Research Report
ウシヘルペスウィルスI型をベクターとするウシ用多価ワクチンの開発
Project/Area Number |
07556116
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Section | 試験 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 治城 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80261957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沼 操 北海道大学, 獣医学部, 教授 (70109510)
柴田 勲 全農家畜衛生研究所, 研究開発室, 主任調査役
遠矢 幸伸 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (30021702)
見上 彪 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20091506)
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Keywords | BHV-1 / タイレリア / ピロプラズマ病 / p32 / SV40 / プロモータ / ワクチニアウイルス / RSV |
Research Abstract |
前年度の研究によって確立したPRVのチミジンキナーゼ遺伝子を選択マーカーとする組み換え体作製法を用いて、ウシの小型ピロプラズマ病の病原体であるTheileria sergenti原虫のp32遺伝子をウシヘルペスウイルスI型(BHV-1)ゲノムに組み込んだ組み換え体を数種作出した。最初にSV40ウイルスのearlyプロモータの下流にp32のORFを連結したものを、BHV-1のチミジンキナーゼ(TK)遺伝子座に組み込んだ組み換えウイルス、BHV-1/SVp32を構築したが、MDBK細胞に感染させてもp32をcodeするmRNAは検出されず、p32タンパクも発現していなかった。SV40のearlyプロモータは他のヘルペスウイルス内では機能している事は知られていたが、種々の実験を行った結果、SV40のプロモータ活性はBHV-1のimmediate early proteinのBICP4により特異的に阻害されることが明らかになった。BHV-1/gCp32はBHV-1のgCプロモータの下流にp32のORFを連結させ、BHV-1のgC遺伝子座に組み込んで構築したものであるが、MDBK細胞に感染させると、p32をcodeするmRNAは合成され、p32タンパクの発現も蛍光抗体法によって確認された。しかし蛍光は微弱であり、ワクチンとして用いるにはp32の発現量は少な過ぎた。BHV-1/RLTRp32はRaus sarcoma virus(RSV)のLTRプロモータの下流にp32のORFを連結させ、TK遺伝子座に組み込んだものである。このウイルスはBHV-1/BgCp32よりも多量のp32を発現し、蛍光抗体法、免疫沈降法によりp32タンパクの存在を確認した。 ワクチニアウイルス(LC1GmO)のTK遺伝子座にp7.5 early lateプロモータの下流にp32プロモータを連結したものを組み込んだ組み換え体を作出し、この組み換えウイルスがp32タンパクを発現している事を確認した。平成9年度においてはp32を発現する組み換えBHV-1およびワクチニウイルスを用いた動物実験を計画中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Otsuka.H.,Xuan.X.,Shibata.I.,Mori.M.: "Protective immunity of bovi e herpesvirus-1(BHV-1)recombinants which express pseudorabies virus(PRV)glyooprotein gB,gC,gD and gE." Journal of Veterinary Medical Science. 58. 819-823 (1996)
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[Publications] 大塚治城・玄学南: "オーエスキー病ウイルスの糖タンパク、gB,gC,gD及びgEを発現するウシヘルペスウイルス1型(BHV-1)組み換え体の防御免疫効果について。" 平成7年度食肉に関する助成研究調査成果報告書. 14. 111-117 (1996)
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[Publications] Xuan,X.,Maeda,K.,Mikami,T.and Otsuka,H.: "Characterization of canine herpesvirus glycoprotein C expreseed by recombinant baculovirus insect cells." Virus Research. 46. 57-63 (1996)
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[Publications] Xuan,X.,Kojima,A.,Murata,T.,and Otsuka,H.: "Analysis of canine herpesvirus gB,gC and gD expressed by a recombinant vaocinia virus." Archives of Virology. 142(in press). (1997)
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[Publications] Yoshitake,N.,Xuan,X.,and Otsuka,H.: "Identification and characterization of bovine herpesvirus-1 glycoproteins E and I." Journal of General Virology. (in press). (1997)