1995 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組換え技術による性腺刺激ホルモン(FSHとLH)の産生と応用
Project/Area Number |
07556124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
森 純一 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (90167685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊原 武志 財団法人日本生物科学研究所, 研究員 (70150109)
稲葉 俊夫 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (00137241)
加藤 幸雄 群馬大学, 生体調節研究所生理活性物質センター, 助教授 (30114177)
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Keywords | 性腺刺激ホルモン / 組換えDNA / ブタ / バキュロウイルスベクター / 胚移植 / 卵胞刺激ホルモン / 黄体形成ホルモン |
Research Abstract |
純粋な卵胞刺激ホルモン(FSH)の産生を企図して、遺伝子工学の応用による組換えFSHの産生を試み、その生物活性を天然のFSH標準品と比較検討した。本実験に先立ち、従来のラジオイムノアッセイ法に劣らない、時間分解蛍光測定法(TR-FIA)によるFSHの微量測定法を確立した。次に、ブタα、FSHβのcDNAを組み込んだバキュロウイルス発現ベクターを構築し、α鎖およびFSHβ鎖を単独に発現させた結果、それぞれ15kdおよび18kdの分子量のタンパクが産生された。これらのタンパクはそれぞれFSHに特異的な抗血清と反応し、また糖鎖の付加が確認できた。活性型(2量体)のFSHを得るために変性と巻き戻しを試みたが、その効率は非常に低いものであった。そこで、α鎖とFSHβ鎖ベクターの重感染の系および1つのベクター内に2つのプロモーターを持つものを選び、それぞれのプロモーターの後ろにα鎖とFSHβ鎖のcDNAを別々に連結した系について検討した。いずれの系でもほぼ同等の2量体の発現が確認された。この時点での発現量は、0.1〜0.5μg/ml程度であった。発現量を上げるために、細胞をSf21から分泌型の発現に適したTn5に変えた結果、発現量は1〜4μg/mlとなった。同時にその後の精製に便利なように無血清培地に変えた。このシステムを用いて組換えバキュロウイルスの大量培養を行った。この時の発現量は、約2μg/mlであり、11培養上清より750μgの精製FSHを得ることができた。なお、FSHの精製は、イオン交換樹脂および糖鎖と結合する特性をもつコンカナバリンA樹脂を用いて、比較的簡単に高純度のFSHを得ることができた。精製したFSHについて、ブタ体外受精系における卵子の第一次減数分裂開始の活性をもつこと、ラットの卵巣重量、子宮重量、成熟卵胞数を下垂体由来のFSHと同じレベルで増加させること、さらに、マウス間質細胞を用いてLH混入が全くないことを明らかにした。さらに発現量を上げるためにFSHのシグナル配列を入れ替えることを試行しており、現在本実験を継続して検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Mori, J., Inaba, T., Kato, Y., Ihara, T. et al.: "In vitro and in vivo bioactivity of recombinant porcine follicle stimulating hormone." Proceedings of XXV Congress of the World Veterinary Association. (Abstract). 257- (1995)
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[Publications] 加藤幸雄・鄭恵玉: "組換え体性腺刺激ホルモンの産生と応用" 獣医畜産新報. 49. 39-43 (1996)
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[Publications] 稲葉俊夫・森純一・加藤幸雄・伊原武志ほか: "組換え体ブタ卵胞刺激ホルモンの生物活性と生理作用" 日本獣医学会会誌. 第121回大会講演要旨. 203- (1996)