1996 Fiscal Year Annual Research Report
細菌のリボソームスモ-ルサブユニットRNA配列による自動同定システムの作製
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07556127
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小柳津 広志 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70177301)
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Keywords | 16SrRNA / 細菌 / 同定システム / 塩基配列 |
Research Abstract |
本研究は、細菌のリボソームスモ-ルサブユニットRNA(16SrRNA)配列情報を収集して、これらを整理し、このデータベースを基にして、簡便な同定法を確立しようとするものである。平成7年度、8年度の2年間で以下の成果を得た。まず第一に細菌類の16SrRNAデータベースを整理し、解読済みの種名、株名およびそれらの株が基準株かどうかのリストを作成した。平成8年度末の段階では、DNAデータベースには約2000株のデータが収録され、データベースからは基準株かどうか判定できないデータが90%以上を占め、また、株名の記載の無いデータも約30%に及んだ。そこで、このデータベースの欠点を補うため、文献記載データ等を参考にして、それぞれのデータが基準株のものかどうかを判定しリストとした。次に、データが大幅に不足する菌群について、データの取得を試みた。特に問題となるPseudomonas属について基準株の未解読種の基準株約70株をATCC等から入手して、配列を解読した。また、腸内細菌群種約20種およびLactobacillus属およびBifidobacterium属16種についても基準株の配列を解読した。第三に、配列決定を簡便化のため、コロニーを拾いこれから直接配列解読する方法の適用を行い、キョピラリー電気泳動装置を用いて、最速で約8時間で同定に必要な配列情報を得る方法を確立した。以上、本研究では、16SrRNA配列データの整備状況をまとめ、これを利用した1日で可能な同定手順を確立した
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[Publications] Anzai,Y.Kudo,Y.,and Oyaizu,H.: "Phylogeny of genera Chryseomonas,Flavimonas,and Pseudomonas supports synonymy of these three genera" Int.J.Syst.Bacteriol.vol.47(印刷中). (1997)
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[Publications] 小柳津広志: "細菌の新しい系統分類と同定方法2.16SribosomalRNA配列を用いた種の同定" 日本細菌学雑誌. 49. 812-821 (1995)