1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07556131
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
入谷 明 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (80026385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 実 天王寺動植物公園, 飼育課, 係長
竹之下 洋司 (株)ケアリー, 生産本部, 本部長
細井 美彦 近畿大学, 生物理工学部, 助教授 (70192739)
岩井 保 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (60026490)
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Keywords | 顕微授精 / 希少動物種 / 胚生産 |
Research Abstract |
本研究は、生殖系列細胞を保存するバンク機能を持たせながら、モデルとしてハムスター卵子を用い、生殖技術が検討されていない希少種動物精子の受精条件を中心に検討した。初年度に行った精子顕微授精実験で、前核形成率が低い例が散見され、保存状態と発生率の関係が推測された。精子の保存期間により染色体の異常が誘起されるようである。この結果から、精子利用性と言う観点から受精卵生産が可能な系を確立するためには、染色体並びに遺伝子の異常検索が重要であると示唆された。今後とも本研究室では、希少動物種の少数サンプルに対応して保存を継続する予定である。次に、本研究では、精子の顕微受精を技術として、精子頭部のみや精子細胞の注入による産子の獲得の可能性を示唆することができた。これは技術的には簡易の核移植であり、関連技術としてウサギ生殖細胞を利用した核移植を進めていた。その結果、核移植由来の胚盤胞を得ることができたので、移植により産子を得る予定である。また、この技術を用いて産子を得られる事が証明されたことにより、希少動物のクローン動物による個体数の回復がはかれる可能性があるため、本研究のバンク機能に体細胞の回収と培養、保存も加えた。培養細胞は胎児、成熟個体(部位)由来により、その生存能力が異なるため詳細に検討している。最後に、本年度はサルの研究を中心的に行った。前年度の実験で受精条件が明らかになっており、本年度に行った体外受精、体外培養並びに卵管移植で産子を得た。同時に進行させている顕微受精では、胚の発生途上停止などが高頻度に起こり、卵の操作時の傷害が影響しているかもしれない。そこで、共培養や一時的なレシピエントへの移植を考慮し、胚発生系の確立を試みている。顕微授精を含むニホンザル体外受精系で胚発生が確認できたので、今度これが真猿類他種の人工繁殖技術モデル系として利用できるものと確信する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Kito, 他: "Effect of volume,culture media and type of culture dish on in vitro development of hamster 1-cell embryo・・" Theriogenology. 47. 541-548 (1997)
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[Publications] Y.Hosoi & A.Iritani: "Fertilization in vitro by microinjection of sperm head in the rabbit and cattle." Mem.School.Bost Kinki University. 1. 59-65 (1997)
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[Publications] Y.Hosoi, 他: "An experimental model of in vitro fertilization by microinjection of spermatozoa for preservation of endangered species." Reproduction Biology Update. 377-381 (1997)
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[Publications] Y.Hosoi, 他: "Establishment of routline IVF-ICSI-ET methodology in the Japanese monkey (Macaca fuscata)" The viogenology. 49(1). 367 (1998)
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[Publications] R.Torii, 他: "Establishment of Routine Cryopreservation of spermatozoa in the Japanese monkey (Macaca fuscata)" 日本不妊学会誌. (in print.). (1998)
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[Publications] A.Iritani, 他: "Application of ICSI in domestic and/or Zoo animal" 国際繁殖学会シンポジウム. (in print). (1998)