1995 Fiscal Year Annual Research Report
多様な好圧性深海微生物を探索するための深海微生物現場培養システムの開発
Project/Area Number |
07556139
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大和田 紘一 東京大学, 海洋研究所, 教授 (30013585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 昌彦 東京大学, 海洋研究所, 助手 (10242174)
木暮 一啓 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10161895)
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Keywords | 好圧性 / 好圧性微生物 / 深海 / 深海微生物 / 多様性 / 現場培養装置 / 係留 |
Research Abstract |
本年度は初年度でもあり、深海で現場の微生物群集を含んだ試料海水を無菌的に採取しそのまま長期間培養の出来る、深海現場培養システムを製作することに力を入れた。まず、次ぎのようなスペックを決めた。使用水深:6,00m以浅、係留期間:1年、重量:水中重量を30kg以内とする。寸法はしんかい2000でも将来使用することを考え、800x800x800mm以内とした。培養容器は最大で10個とし、培養容器内への試料は150ml以内とした。採水はマイクロコンピューターによる制御とし、装置は深海に係留できるよう中層係留器具も付属させることにした。その結果、装置の構成は採水収納部、制御容器、採水駆動用モーター、中層係留用治具となった。具体的には、採水容器としてあらかじめ滅菌してあり、毎回新しいものを使用できる容器を探したところ、テルモ(株)製のテルモ分離バッグが適当でありこれを使用することにした。容量は150mlとなっているが、容器は弾力性があり、最大1000mlでも採水出来ることが分かった。採水はバッテリ-からの電源により、チューブカッターを働かせて採水口を開き、それと同時にペリスターポンプを用いて各容器にゆっくり採水をしてゆく。テストの結果、約15分で150mlは採水されることも明らかになった。海水の中に長い時には約1年間放置しておくことも考え、材質に注意を払うことにした。本年度にはこれらスペックのもとに製作が進行し、水槽などでのテストは非常に良好に進んでいる。来年度は7月の淡青丸の航海において水深4000mに下ろして作動テストを行い、さらに10月の白鳳丸の航海の際に深海への係留を行って数カ月の現場培養を行う予定である。
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