1997 Fiscal Year Annual Research Report
多様な好圧性深海微生物を探索するための深海微生物現場培養システムの開発
Project/Area Number |
07556139
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Research Institution | UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
大和田 紘一 東京大学, 海洋研究所, 教授 (30013585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 哲也 日油技研工業(株), 第4研究開発部, 研究部員
西村 昌彦 東京大学, 海洋研究所, 助手 (10242174)
小暮 一啓 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10161895)
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Keywords | 好圧細菌 / 海洋細菌 / 深海微生物 / 現場培養装置 / 係留 / 加圧培養 / ZoBell2216E培地 / 増殖 |
Research Abstract |
この研究で製作した深海微生物現場培養装置を、研究船、白鳳丸の航海の際、1996年11月21日に日本海溝域のSt.M-4(38°00.38'N,145°32.22'E,水深5,315m、水温1.1℃)において、各層の流速を測定するための流速計とともセットし、係留を行った。 約9ケ月後の1997年9月2日に回収したが、装置に外見上の破損部分はなく、フレームに取り付けた表層水試料を封入した培養容器も全て回収できた。本装置の強度に関しては全く問題はなかったが、作動に関しては所定の採水量を満足しているものはなかった。残念ながら、回収した8つの容器の内、7つは海水を採取した形跡はなく、投入時に分注した培地のみが入っている状態であった。ただし培地が利用された形跡もなかったため、必要条件であった気密性は保持されていた。唯一、試料番号1の容器には20mlの海水(ZoBell2216培地)が採取されていた。そこで表層水と深層水のZoBell2216E培地のみによる結果ではあるが、以下のようなデータが得られた。 【深層水について】採取時の全菌数は6.0×10^3cells/mlであったが、現場容器では1.1×10^8cells/mlにまで増殖が認められた。採取時の生菌数は2.4×10^<-1>cfu/ml(3℃)、現場容器の試料では常圧においては寒天平板、MPNともどのような条件でも細菌の増殖は認められなかった。しかし、加圧条件(52 MPa)でのMPNは、2.1×10^9cell/mlと非常に高い値を示した。常圧コントロールでは平板培地での生菌数は5.0×10^5cfu/ml(3℃)、MPNは1.1×10^9cell/ml(3℃)と非常に高い値を示した。 【表層水について】採取時の全菌数は2.1×10^5cells/mlであったが、深海に係留後は3.0×10^4cells/mlまで減少した。採取時の生菌数は6.8×10^1cfu/ml(3℃)であった。深海に係留後は、全ての培養条件において細菌の増殖は認められなかった。常圧コントロールの生菌数は3.0×10^7cfu/ml(3℃)、MPNは1.5×10^7cells/ml(3℃)であった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 崎山徳起.大和田紘一: "Isolation and groioth charaete ristice of deep-sea barophilic baeteua from the Japan Trench." Fisheries Science. 63. 228-232 (1997)
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[Publications] 浦川秀敏.塚本久美子.大和田紘一: "16SrRNA genotyping using PCR/RFLP (restriction frogment length pdymorphesin) analysis amany the family Uibrionacese." FEMS Microbio Logical Letters. 152. 125-132 (1997)
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[Publications] 大和田紘一: "バイオマーカーによる海洋微生物群集の解析" 月刊 海洋. 29. 707-709 (1997)
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[Publications] 西村昌彦.朴流亮.大和田紘一: "核酸プロブを用いたハイブリダイゼーション法による海水中の特走微生物の細胞レベルでの識別" 月刊 海洋. 29. 710-714 (1997)
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[Publications] 浦川秀敏.塚本久美子.大和田紘一: "16SrRNA 遺伝子を用いた海洋堆積物における微生物コミュニティーの解析" 月刊海洋. 29. 750-758 (1997)
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[Publications] 李原在.大和田紘一: "Isolation and composction of amino acid on the psychroplulic and barophilie deepeea Uibrio spp." Proc.Conf.Korean Soc Mar Bioteclnol.45-59 (1997)
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[Publications] R.R.Colwell, U.Simidu and K.Ohwada: "Miuobial Divercity in Time and space" Plenum Press (USA), 172 (1996)