1996 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス誘発性胃由来カルシウム調節因子の検索とその生理活性測定法の開発
Project/Area Number |
07557008
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Section | 試験 |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
粟生 修司 九州大学, 医学部, 助教授 (40150908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 裕 日本臓器(株), 生物活性科学研究所, 顧問 (30019517)
加藤 昌克 日本医科大学, 医学部, 助手 (90143239)
立元 一彦 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60240694)
片渕 俊彦 九州大学, 医学部, 講師 (80177401)
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Keywords | 視床下部 / 室傍核 / 低カルシウム血症 / カルシウム代謝 / ヒスタミン / 血小板活性化因子 / 胃由来カルシウム調節因子 / ストレス |
Research Abstract |
1)胃由来カルシウム低下因子検索のため、胃抽出物フラクションの血液カルシウム濃度に及ぼす効果をラットを用いて調べた。粗抽出物で血液カルシウム低下作用を示す分画の精製を進めたが、精製が進むにつれて安定した作用を示さなくなった。別のフラクションでも検索を進めているが現在までに新しくカルシウム低下作用を示す分画は見い出されていない。現在、再度胃から抽出し、invivoのアッセイ系に加えて、骨組織を用いたin vivoのアッセイ系の確立して測定感度の向上をめざしている。 2)ヒスタミンはストレス時に胃において血液カルシウム低下因子として作動する。その作用は胃切除で消失することから、ヒスタミンの標的細胞が胃に存在していると考えられる。胃粘膜上皮の壁細胞や粘膜固有層の免疫細胞にヒスタミン受容体あるいはそのmRNAが発現することから、胃底部付着性細胞(主としてマクロファージ)および腹腔マクロファージを採取し、細胞内カルシウム濃度のヒスタミンに対する反応を調べた。その結果、腹腔マクロファージに比べ、胃マクロファージの方がヒスタミン応答性が高い傾向が示唆された。 3)ストレス時に潰瘍誘発因子として作動している血小板活性化因子(PAF)にも強力な低カルシウム血症誘発作用があることを見い出した。PAFおよびヒスタミンの血液カルシウム低下作用はそれぞれの受容体遮断薬で消失するが他方の受容体遮断薬で抑制されず、両者が互いに独立してストレス時に作動していることが明らかになった。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] Li,A.-J.: "Fibroblast growthfactor receptor-1 in the lateral hypothalamic area regulates food intake." Exp.Neurol.137. 318-323 (1996)
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[Publications] 粟生修司: "拘束不動時の低カルシウム血症におけるヒスタミン、血小板活性化因子(PAF)およびエンドトキシンの意義." 宇宙生物科学. 10. 186-187 (1996)
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[Publications] 水野雅晴: "雌マカクザルにおける視覚による性弁別と性嗜好性の研究" 福岡医学会雑誌. (印刷中). (1997)
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[Publications] 粟生修司: "ヒスタミンおよび血小板活性化因子による低カルシウム血症" Space Utilization Research. 13. 92-95 (1996)
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[Publications] 粟生修司: "ペプチドホルモンと食欲." 肥満研究. 2. 113-115 (1996)
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[Publications] 粟生修司: "摂食障害の病因" 日本医師会雑誌. 116. 1089-1093 (1996)
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[Publications] Uchimura,D.: "Facilitatory effects of pituitary adenylate cyclase activating polypeptide (PACAP)on neurons in the magnocellular portion of the rat hypothalamic paraventricular nucleus(PVN)in vitro." J.Neuroendocrinol.8. 137-143 (1996)
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[Publications] Kato,M.: "GLP-1 depolarizes the rat pancreatic beta cell in a Na(+)-dependent manner." Regul.Pept.62. 23-27 (1996)
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[Publications] Ohe,Y.: "Cultured leptomeningeal cells secrete cerebrospinal fluid proteins." J.Neurochem.67. 964-971 (1996)
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[Publications] Saito,Y.: "Effects of bradykinin on the intracellular calcium concentration of pancreatic acinar AR42J cells." Life Sci.58. 1569-1574 (1996)
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[Publications] Ma,H.T.: "Effects of pancreastatin and somatostatin on secretagogues-induced rise in intracellular free calcium in single rat pancreatic islet cells." Regul.Pept.61. 143-148 (1996)
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[Publications] Oomura,Y.: "Protection against impairment of memory and immunoreactivity in senescence-accelerated mice by acidic fibroblast growth factor." Ann.N.Y.Acad.Sci.786. 337-347 (1996)
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[Publications] 粟生修司: "心身医学標準テキスト" 医学書院, 506 (1996)