1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07557030
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高津 聖志 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10107055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
刈米 アイ 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (50114450)
菊池 雄士 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60262078)
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Keywords | 遅発型アレルギー反応 / 好酸球 / サイトカイン / IL-5 / IL-5欠損マウス / 抗ヒトIL-5R抗体 / JAK / STAT系 / 広東住血線虫 |
Research Abstract |
難治性喘息などのような遅発型のI型アレルギー反応では好酸球が重要な役割を果しており、気管支粘膜下への好酸球の浸潤や活性化の度合いと気道過敏反応の重篤度とがよく相関する。好酸球の増殖・分化には活性化T細胞のみならずサイトカインが深く関わっている。本研究では好酸球の生成、増殖、活性化を選択的に促進するIL-5に注目し、炎症の慢性化の発症機構とその制御をIL-5を初めとするサイトカインと受容体の発現異常の観点から明らかにし、その制御法を開発することを目的とした。 (研究方法および成果) 1.結核菌由来抗原ペプチドがTH1タイプの免疫応答を選択的に惹起する機構を、PPD反応性T細胞クローンを用いて解析した。MPT59のcDNAの塩基配列を基に、15残基のoverlappingペプチドとp240-254のアミノ酸を1残基ずつ置換したペプチドに対する応答性を解析し、T細胞クローンはVβ11を発現しており、MPT59とp240-254に対してI-A^b拘束性の増殖応答を示すことを明らかにした。置換ペプチドに対する応答性から、増殖に重要なアミノ酸配列は244-251番に含まれることが示唆された。 2.ヒトIL-5受容体α鎖(hIL-5Rα)に対する単クローナル抗体を作製し、hIL-5Rαに会合する分子とhIL-5刺激で活性化されるJAK-STAT経路について検討した。hIL-5反応性細胞株TF-h5Rα(hIL-5Rα cDNA導入TF-1)のhIL-5刺激前後の細胞可溶化物を抗hIL-5Rα mAbで免疫沈降を行ったところ、hIL-5刺激後の細胞可溶化物からのみβ鎖およびチロシンリン酸化された3つの蛋白が共沈することを明らかにし、hIL-5Rαとβ鎖はhIL-5非存在下ではそれぞれ単独で存在し、hIL-5存在下に二量体を形成することを初めて示した。また、hIL-5刺激によりJAK2のチロシンリン酸化およびSTAT5の活性化が見られ、末梢血好酸球ではSTAT5の活性化に加えてSTAT1の活性化が誘導される例があることを明らかにした。 3.IL-5受容体α鎖遺伝子欠損(5Rα-/-)マウスを広東住血線虫(Ac)で感染させると、髄液中の好酸球数増加は野生型に比べ著しく低く、脳内虫体数も多く虫体長は長いという結果が得られた。この結果からAc感染時にIL-5によって誘導される好酸球がAc排除の強力なエフェクターであることが示された。
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[Publications] Kouro,T.et al.: "Critical residues of cytoplasmic domain of the IL-5 receptor α chain and its function in IL-5-mediated activation of JAK kinase and STAT5" Int.Immunol.8. 237-245 (1996)
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[Publications] Sugane,K.et al.: "Eosinophilia IL-5 level and recovery of larvae in IL-5 transgenic mice infected with Toxocala canis" J.Helminthol.70. 153-158 (1996)
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[Publications] Yoshida,T.et al.: "Defective B-1 cell development and impaired immunity against Angiostrongylus cantnensis in IL-5Rα deficient mice" Immunity. 4. 483-494 (1996)
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[Publications] Hossain,M.et al.: "A case report:Immunological analysis of asbesatosis with eosinophilic pleural effusion" Int.Arch.Allergy Immunol.111. 195-198 (1996)
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[Publications] Numata,F.et al.: "The xid mutation plays an important role in delayed development of murine acqulred immunodeficiency syndrome,MAIDS" Int.Immunol.9. 139-146 (1997)
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[Publications] Yanagisawa,S.et al.: "Mapping of Vβ11^+ helper T-cell epitopes on Mycobacterial antigen in mouse primed with Mycobacterium tuberculosis." Int.Immunol.(印刷中). (1997)