1996 Fiscal Year Annual Research Report
新しい降圧ペプチド“アドレノメデュリン"の臨床診断学・治療学的応用
Project/Area Number |
07557059
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Section | 試験 |
Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
江藤 胤尚 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (10038854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺岡 宏 塩野義製薬株式会社, 研究室, 部長研究員
寒川 賢治 国立循環器病センター研究所, 生化学部, 部長 (00112417)
北村 和雄 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (50204912)
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Keywords | アドレノメデュリン / 血管拡張作用 / 受容体 / アドレノメデュリン分解酵素 / 測定方法 |
Research Abstract |
(1)臨床診断学的応用 簡便な測定系の確立:アドレノメデュリン(AM)の異なった部位を認識する複数のモノクローナル抗体の作成に成功し、これらを組み合わせることでAMのimmunoreactive rediometric assay(IRMA)を作成した。血漿の抽出が不要な本測定法を用いることにより、少量の血液で多くの検体を同時に測定することが可能となった。現在、本法を用いて健常人、循環器や腎臓疾患患者の血中AM濃度の測定を行っている。また、同モノクローナル抗体を用いて、高感度酵素免疫法(EIA)を作成している。血中AMの分子型:AM測定系改良の過程で、ヒト血中にはアミド化されたAMとアミド化されていないAMが存在することが明らかになり、高血圧患者の血中ではアミド化されていないAMが増加していることが判明した。現在、それらの生理学的および病態生理学的意義を検討中である。血中Proadrenomedullin N-teminal20peptide(PAMP)の測定系の開発:降圧活性を有する全く新しいAM関連ペプチドであるPAMPがヒト血中に存在していることが判明し、PAMPの簡便かつ高感度の測定系も作成中である。 (2)臨床治療学的応用 AM受容体作動薬・拮抗薬の開発:高血圧モデルラットにAMを長期間持続投与すると、血漿レニン活性の抑制を伴った降圧作用が認められた。その際の血中AMは生理的範囲の濃度であり、AM、AM受容体作動薬あるいはAM分解酵素阻害薬が、新たな降圧薬となる可能性が高いことが明らかになった。また、種々の修飾を加えたAMペプチドアナログを合成し、ヒト血管内皮細胞のcAMP上昇活性を観察したところ、AM受容体拮抗性のアナログが候補として発見された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yamaguchi,T.: "Inhibition of aldosterone production by adrenomedullin,a hypotensive peptide,in the rat." Hypertension. 28. 308-314 (1996)
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[Publications] Kato,J.: "Plasma adrenomeduliin concentration in patients with heart failure." J.Clin.Endocrinol.Metab.81. 180-183 (1996)
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[Publications] Eto,T.: "Plasma adrenomedullin and proadrenomedullin N-terminal 20 Peptide in impaired renal function." Kidney Int.49. S-148-S-149 (1996)
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[Publications] Kobayashi,K.: "Increased plasma adrenomedullin levels in chronic congestive heart failure." Am.Heart J.131. 994-998 (1996)
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[Publications] Nagatomo,Y.: "Proadrenomedullin N-terminal 20 Peptide is rapidly cleaved by neutral endopeptidase." Biochem.Biophys.Res.Commun.223. 539-543 (1996)
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[Publications] Niina,H.: "Inhibition of catecholamine synthesis by proadrenomedullin N-terminal 20 peptide in cultured bovine adrenal medullary cells." Eur.J.Pharmacol.286. 95-97 (1996)