1996 Fiscal Year Annual Research Report
酸化LDL受容体(CD36)を過剰に発現する動脈硬化モデル動物の開発と応用
Project/Area Number |
07557074
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Research Institution | Osaka Unviresity |
Principal Investigator |
野崎 秀一 大阪大学, 医学部, 助手 (30252646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 浩和 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
倉田 義之 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (80127224)
山下 静也 大阪大学, 医学部, 助手 (60243242)
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Keywords | CD36 / 酸化LDL / 動脈硬化 / モデル動物 |
Research Abstract |
我々はCD36欠損症患者を見いだし、世界に先駆けてその遺伝子異常を報告してきた。また、その欠損マクロファージを用いて、酸化LDLの取り込みがコントロールに比し、約50%低下し、酸化LDLによるコレステロールエステル蓄積も低下していることを明らかにし、CD36がヒトマクロファージにおいても生理的に酸化DL受容体として機能することを報告してきた。本研究においては、さらに、このCD36がヒト大動脈動脈硬化巣のマクロファージに発現していること、また泡沫化マクロファージにCD36の発現が強いことを明らかにし、さらに従来のスカベンジャー受容体タイプエタケプIIとその免疫組織活性の分布が異なることを明らかにした。また、in vitroにおいて、マクロファージの分化とともにCD36の発現は増強し、そのリガンドである酸化LDLのマクロファージへの添加により、CD36の蛋白量及びmRNA量が増加した。これらの結果より、動脈硬化巣においても、マクロファージがCD36を介して酸化LDLを取り込み、一層泡沫化が亢進する機構が示唆された。これらの分析に平行して、トランスジェニックマウス作成のため、まず、Chicken beta actin promotorを用いて、コンストラクトを作成し、C57BL/6の受精卵にmicroinjectionし、50匹の産仔を得た。マウスの尾より、DNAを分離し、PCR法により、遺伝子の挿入の有無を確認したところ、8匹に遺伝子の挿入を認めた。肝臓、心筋においてmRNAの発現も認めた。しかしながら、マウス尾静脈より、採血し、単核球を分離し、CD36の発現を検討したところ、単球にCD36の有意な発現は認めず、また心筋、肝臓にも免疫組織活性を認めなかった。現在さらに、異なるpromotorのコンストラクトを作成し、高発現するトランスジェニックマウスの確立をめざしている。
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[Publications] Hirokazu Kashiwagi: "A single nucleotide insertion in codon 317 of the CD36 gene leads to CD36 deficiency" Arterioscler Thromb Vasc Biol. 16・8. 1026-1032 (1996)
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[Publications] Atsuyuki Nakata: "Localization of heparin-binding epidermal growth factor-like growth factor in human Loronary arteries" Circulation. 94. 2778-2786 (1996)
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[Publications] Shuichi Nozaki: "Effects of pravastatin on plasma and urinary meualonate concentrations in subjects with familial hypercholesterolaemia" Eur J Clir Pharmacol. 49・5. 361-364 (1996)