1996 Fiscal Year Annual Research Report
膜性骨の特異的エイジングを基礎とする顎顔面骨骨延長装置の開発
Project/Area Number |
07557082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 試験 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高戸 毅 東京大学, 医科部附属病院, 教授 (90171454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 良之 東京大学, 医科部附属病院, 助手 (70251296)
米原 啓之 東京大学, 医科部附属病院, 助手 (00251299)
須佐見 隆史 東京大学, 医科部附属病院, 助教授 (80179184)
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Keywords | 膜性骨 / エイジング / 顎顔面骨 / 骨延長装置 |
Research Abstract |
顎顔面外科学と骨との関わりは深い。顎顔面骨は膜性骨をその構成主体としているが、その基礎的解明が遅れているため、長管骨に準じて治療が行われているのが現状である。我々は、膜性骨の特異的エイジングに焦点を絞り、その基礎的機構の解明を進めている。我々の研究目的は生体の本来持つ機能を用いていかに顎骨の成長促進をもたらすか、すなわち骨移植のように他部位を侵襲することなく、骨延長をもって骨欠損の自己修復を図ることにある。 本年度は膜性骨骨修復機構の基礎的解明を中心に研究を行った。 1.膜性骨に対する骨形成因子の作用機序について-骨膜からの骨形成過程に発現する骨形成因子の研究- (1)我々は前年度までにB-FGF等の骨形成因子の膜性骨に対する骨形成作用について検討を加えてきた。骨欠損修復作用のやや劣ると思われる膜性骨において、これらの薬剤は骨形成効果を持つことが明らかになった。 (2)本年度は、これらの因子が骨欠損部の骨形成過程において、どのように発現するかについてさらに検討を加えた。 a.下腿骨欠損モデルの作製とそのモデルによる骨再生状態の観察 ラット下腿骨欠損モデルを作製し、その骨修復過程を観察するため、組織標本作製、軟X線撮影を行った。その結果、骨膜には非常に骨形成能があることが判明した。 b.BMPファミリーおよびオステオカルシンの遺伝子発現および骨形成指標としてのアルカリホスファターゼ産生の観察 骨膜を残したラット下腿骨欠損モデルにおいては、オステオカルシンの遺伝子発現およびアルカリホスファターゼ産生が骨膜のない対照モデルより増加しており、その修復過程における重要性が示された。 2.膜性骨における軟骨の機能について;家兎上顎骨欠損モデルを作成し、その修復過程において軟骨が出現しないことを確認した。すなわち膜性骨における軟骨の機能は長管骨とは異なることが示唆された。
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