1997 Fiscal Year Annual Research Report
微小光ファイバーを用いたクモ膜下・硬膜外組織血流・代謝モニターシステムの開発
Project/Area Number |
07557100
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
下地 恒毅 新潟大学, 医学部, 教授 (30040158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早津 恵子 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (60281010)
藤原 直士 新潟大学, 医学部・附属病院, 講師 (70181419)
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Keywords | レーザードプラ法 / 局所組織血流 / 近赤外法 / 組織酸素化 / ヘモグロビン / チトクロムaa3 / 時間分割測定 |
Research Abstract |
本年度は主に以下の研究を進めた。 1)動物実験において、レーザードプラ法による局所組織血流測定と近赤外法による組織酸素化測定を組み合わせた、組織血流・組織酸素化同時測定ついて検索した。ウレタン麻酔ラットを用い、頭骨にバ-ホールを作製し、硬膜上よりレーザードプラ血流計による局所脳組織血流測定を行った。また、同一ラットについて、口腔内から近赤外光を照射し、頭頂部で測光することにより、脳組織ヘモグロビン(Hb)の酸素化およびチトクロムaa3の変化を測定した。これらの測定においては互いの照射光が干渉するので、同時に測定することは困難なことから、それぞれの照射光を交互に対象に照射して測定する時間分割測定を行った。この時間分割測定においてはそれぞれの測定間隔を短くし、できるだけ頻回に行うことが望まれるが、装置の安定性を考慮すると、現在のところ、5〜10秒毎に切り替えた交互時間分割測定は可能となっている。2)臨床例について近赤外法による脳組織酸素化モニターの適用を行い、局所組織血流・組織酸素化の同時モニターシステム開発に向けた検討を行った。このうち、胸腹部解離性大動脈瘤合併症例における循環停止前後の脳酸素化動態モニターでは、循環停止とともに全Hb量の減少、HbO_2/Hbの低下、チトクロムaa3の低下が認められた。循環再開後にはHbO_2/Hbのが回復したものの、チトクロムaa3は回復が遅れた。これらの変化は循環動態とりわけ組織血流に鋭敏に反応すると考えられ、組織血流と組織酸素化の定量的検索が必要となると考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 福田悟、他2名: "解離性大動脈瘤(Stanford A型)を有する患者の術中心停止と近赤外分光モニターによる脳内酸素化動態" Gardiovascular Anesthesia. 1・1. 153-154 (1997)
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[Publications] 傳田定平、他5名: "大血管手術中の電気生理学的脳・脊髄モニタリング" Gardiovascular Anesthesia. 1・2. 83-85 (1997)