1995 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性細菌のエピトープペプチドを用いた歯周病病態解析診断システムの開発
Project/Area Number |
07557114
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小川 知彦 大阪大学, 歯学部, 助教授 (80160761)
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Keywords | 歯周病 / Porphyromonas gingivalis / 線毛 / B細胞エピトープ / 血清 / 診断 / 抗体 / ペ-パ-ポイント |
Research Abstract |
本年度は,成人性歯周炎の病原菌として注目されるPorphyromonas gingivalis菌体表層の2つのタイプの線毛蛋白,すなわち,41k線毛(Dickinsonら[1988])ならびに72K-CSP(Type-II線毛;Ogawaら[1994])分子中の歯周病患者血清と反応する領域(B細胞エピトープ)を明らかにし,同線毛やエピトープを模して合成した部分ペプチドに対する特異抵抗体を用いて,P.gingivalisを吸着したペ-パ-ポイント上でELISA法による反応条件について検討した. すなわち,1.P.gingivalisを既存の嫌気的細菌培養装置により大量培養後,菌体から41K線毛ならびにType-II線毛を機械的に剥離後,精製した.2.歯周病患者の血清を用いて,線毛のサブユニット蛋白分子中のB細胞エピトープ領域をELISA法により検討した結果,41K線毛では6領域,Type-II線毛では7領域がそれぞれ明らかになった.3.線毛蛋白ならびに抗原エピトープを模して合成した部分ペプチドをウサギならびにマウスに免疫し,ウサギ抗血清ならびにマウスモノクローナル抗体を得た.4.防水加工したペ-パ-ポイントを作成し,所定数のP.gingivalis菌体を同ペ-パ-ポイント上に吸着し,作出したウサギ抗血清やマウスモノクローナル抗体を用いて,P.gingivalisの細菌数とELISAによる反応性との関係を検討した結果,明確な用量-反応関係が得られた.これらの結果は,歯周病患者の病巣局所におけるP.gingivalisの存否ならびに多寡を検討する際に基礎情報を与えるものとして期待される.
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