1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07557127
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
柴田 考典 山形大学, 医学部, 助教授 (60147220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 匡輔 生化学工業, 医薬事業部学術課, 研究員
久保田 英朗 神奈川歯科大学, 医学部, 教授 (50170030)
藤田 茂之 京都大学, 医学部, 講師 (50228996)
村上 賢一郎 京都大学, 医学部, 助教授 (00174269)
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Keywords | 顎関節 / 滑液 / 滑液分析 / 滑液検査 / 滑液診断 / 変形性関節症 / 炎症マーカー / 軟骨破壊マーカー |
Research Abstract |
本課題について以下の各研究テーマを設定し、それぞれ研究から得られた成果の概要を示す。 1.顎関節における滑液採取法に関する検討 (1)MRIによる滑液貯留部位の検索(柴田):顎関節では閉口時には上関節腔の関節結節直下に、開口時には下顎窩内側に滑液が貯留する頻度が高い。(2)原液採取法の改良(柴田):前項の結果から、滑液採取時の穿刺部位を関節結節直下に換え、滑液原液採取の成功率を高めた。(3)外部マーカー(VB_<12>)による希釈回収法における希釈率の算出法の検討(村上、藤田):希釈回収法の希釈率算定のために、希釈液中に外部マーカーとしてVB_<12>を混和する方法の有用性を確認するとともに、問題点を明らかにした。(4)生理食塩液パンピングによるHA回収率の検討(In vitro)(柴田):分子量80万の1%ヒアルロン酸ナトリウムを生理食塩液1.0mlでパンピングし、パンピング回数が回収率に与える影響を実験的に調べたところ、1および3回と5,7および9回の間に明らかな差がみられた。 2.顎関節滑液(原液採取)中の軟骨破壊マーカーの解析 (1)C64,C4S,HAの不飽和二糖のHPLC法による解析(柴田、村上、宮崎):顎関節滑液中のC64,C4SおよびHAの測定値は変動係数が大きく、比較のためにはC6S/C4S,C4S/HA,C6S/HAなどの比が有効であり、特にC6S/C4S比ではRAとIDとの間に有意差がみられた。 3.顎関節滑液(希釈回収)中の炎症マーカーの解析 (1)IL-1,-6,-8の測定(久保田、柴田):顎関節滑液中のIL-1,-6,-8の同定。(2)MMP-2,-3,-9の測定(久保田):顎関節滑液中のMMP-2,-3,-9の同定。(3)PGE_2の測定(村上):顎関節滑液中のPGE_2濃度はVASスコアなど疼痛を表す指標と関連が認められなかった。 以上から、顎関節における微量滑液検査は、検査法としてさらに検討および改良を加えることにより、顎関節ばかりでなく他の小関節におけるRAとOAとの鑑別および早期OAの判定などに臨床応用の道が開けると思われる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 溝口智子、 他: "顎関節症のMR画像におけるjoint effusion像の研究第1報 : effusion像の出現頻度とその局在" 日本顎関節学会雑誌. 7. 81-94 (1995)
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[Publications] G. T. Clark et al: "A suggested 5 year research agenda for temporomandibular disorders" 日本顎関節学会雑誌. 8. 141-165 (1996)
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[Publications] E.Kubota et al: "Interleukin 1β and Stromelysin(MMP3)Activity of Synovial Fluid as Possible Markers of Osteoarthritis in the Temporomandibular Joint." J. Oral Maxillofac Surg. 55. 20-27 (1997)
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[Publications] E. Kubota et al: "Synovial Fluid Cytokines and Proteinases as Markers of Temporomandibular Joint Disease." J. Oral Maxillofac Surg. 56. 192-198 (1998)
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[Publications] K. Murakami et al: "Intra-articular level of Prostaglandin E_2, Hyaluronic acid, Chondroitin-4 and -6 sulfates in the TMJ synovial fluid in patients with internal derangemnet." J. Oral Maxillofac Surg. 56. 199-203 (1998)
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[Publications] T. Shibata et al: "Glycosaminoglycan componets in TMJ synovial fluid as markers of joint pathology" J. Oral Maxillofac Surg. 56. 209-213 (1998)