1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07557130
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大山 紀美栄 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (90014216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 聖一 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90187732)
黒田 敬之 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10013939)
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Keywords | 先天異常 / 疾患モデル / レーザー / 胎仔外科 |
Research Abstract |
平成7年度は、レーザーを用いて顎顔面頭蓋に奇形を有する実験動物モデルの作製法の確立を目標として実験を行った。実施計画に基づき、妊娠14日のICR系マウス母獣を麻酔下にて開腹し、子宮を切開して胎仔を羊膜に包まれた状態で子宮より露出させ、羊膜を通して胎仔の顎顔面各部にレーザーを照射し創傷を作製した。ついで胎仔、子宮を母獣にもどして開腹部を縫合し、子宮外妊娠の形で妊娠を継続させ、妊娠18日目に帝王切開にて胎仔を取り出し、同日出産した里親につけて育成させた。以上の術式にて奇形マウスの作製を試み、本年度は、奇形発現の部位、程度の観察および奇形発現の再現性について検討を加え、以下の結果を得た。(1)アルゴンダイレーザー(出力2W、照射時間0.3秒×3〜5回)にて羊膜を通して胎仔の鼻口唇部に照射を行った結果、照射直後には、照射部位に小さな白色のスポットが形成され、その周囲に赤色の充血部位が認められた。(2)レーザー照射直後に胎仔より得られた照射部位の組織切片による観察では、照射部位では、深さ約100μから200μにわたって細胞の欠落した創傷が形成され、実質欠損の周辺には核濃縮や、核の脱落した変成細胞が認められた。(3)出生時における観察では、レーザー照射を行った個体は、鼻口唇部のレーザー照射を行った部位にわずかなくぼみが認められたが、瘢痕組織の形成や、その他の奇形は認められなかった。(3)生後1カ月にて観察を行った所、前上顎部軟組織の厚みに左右差が認められ、健側に対して患側が薄くなっていたが、瘢痕の形成は認められなかった。(4)上記のようにレーザー照射を行った胎仔では、照射の回数等により出現する程度に差があるものの、ほぼ同様の形態異常を発現させる事が可能であり、本法は十分な再現性を持つものと考えられた。
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